振付∴ジョージ・バランシン
ニューヨーク・シティ・バレエ「シャコンヌ」音楽∴クリストフ・ヴィリバルト・グルック
出演∴スザンヌ・ファレル
ピーター・マーティンス
「放蕩息子」音楽∴セルゲイ・プロコフィエフ
出演∴ミハイル・バリシニコフ
カリン・フォン・アロルディンゲン
ショーン・オブライエン
シャコンヌは、バランシンの振付したバレエを見たことのない方にも入りやすいと思います。美しいです。放蕩息子は、ストーリーが最初から分からない方が見ても大丈夫です。分かりやすいです。が、ハゲヅラのお坊さんは、いかがなものかと・・・バリシニ㡊コフのジャンプは、すばらしくキレイです。
ストラヴィンスキー:春の祭典
輸入盤で一足早く聴いています(なお、輸入盤はSACDハイブリッド盤です)。このディスクを最初に聴き終えたとき、ある種のデジャ・ヴュを感じました。それは、「ブーレーズがDGに移籍したとき」あるいは「ネーメ・ヤルヴィがDGに移籍したとき」と同様のものです。移籍してくる前のレーベルでは、鋭さや明晰さ、推進力を売りにしていた指揮者が、なぜかDGに来ると、まろやかな方向に変容してしまう。サロネンも、この1枚を聴く限りでは同様に感じます。
「春の祭典」は、旧録音のソニー盤が、強烈な推進力とリズム感・ビート感を持っていたのに対し、こちらは、その点がかなり大人しくなっています。バルトークにしても同様で、以前にN響で大成功した際と比べると、上品な表現に徹しています。このディスクだけを単独で聴く分には、十分に水準を満たした好演だと思うのですが、過去のサロネンの名演を知ってしまっている人には、やや肩すかしとなるかもしれません。
DGによる録音も、やや柔らかな感触をもったもので、打楽器のピックアップも控えめ。悪くいえば「鈍い演奏」といえるかもしれませんが、新たに独特の詩情や美観が生まれている箇所もあり、一概には否定できるものでもないように思います。「春の祭典」第2部の、むせかえるような重々しさは、むしろこちらの方が上でしょう。DG移籍後のブーレーズを認めている人なら、この変化も受け入れられるのではないでしょうか。自分としては、「新旧どちらもあり」だとは思いますが…