昭和10年の作品だけあって、長谷川一夫(当時の芸名は、林長二郎)が若々しく怪しいほどの完璧な美しさです。
今の芸能人には見られない完璧な美貌を見ることが出来ます。
物語は、親の敵を打つ歌舞伎の女形が主人公・・というものです。
長谷川一夫はこの映画の中でなんと3役も演じております。その中で彼は、主人公の母親も演じているのですが、それが本当に完璧な美女に見えるので驚きでした。
後の市川昆監督の同名の映画では、長谷川一夫も随分と年をとっていたので、同役での女装はかなりキツイものがありました。
映画全体を見ても、この昭和10年のものの方がスケールも大きく、ずっと素晴らしい出来ばえになっています。
とにかく何処をとっても「安っぽさ」を全く感じさせない大作に仕上がっています。
観ていると江戸時代にタイムスリップできる映画No1という感じです!
雪之丞変化〈上〉 (大衆文学館)
敵討ちの大望を秘めた女形雪之丞が艶やかに狡猾に、敵である元長崎奉行達に迫っていくストーリーは、
時代小説の設定ではありがちかもしれませんが、この話は他の登場人物たちが活きています。
深く感動したり、じっくり考えさせられたり、ということは無い話です。ただ、読み終わったときに「あぁ、面白かった」と言えるキャラを活かしたストーリー。
それに「何か読み物を…」と思ったときに思わず手が出てしまう読みやすさ。
上下巻の2冊ですが、あっという間に読めます。
手軽で面白い時代小説をお探しの方は是非どうぞ。