直木賞、好きになった？喜びのダブル受賞会見白石一文モバイル

ほかならぬ人へ読み手を選ぶとは思いますが、すばらしい作品だと思います。
作者の作品はすべて読んでいますが、これが一番好きかもしれません。
磨きに磨いた美しい描写やエピソードがちりばめられています。読んでしばらくたっても、「この場面」「あの場面」が、ふと、胸に迫って思い出されるような、力がある作品なんですね。
余談ですが、そうした個所を読んでいるときに、私の場合、忘れがたい人や時間のことが、息がとまるほどの鮮やかさでよみがえってきました。

私という運命について (角川文庫) 小説というより「冬木亜紀」という実在の女性を10年間切り抜いたドキュメンタリーのように思えました。
実際にその年代に社会で起こったことが重要な鍵を握っているので尚更そう思うのでしょう。

感動したとか面白かったというより生きている意味や自分の人生を振り返ってみようという気にさせます。

何でもかんでも運命で片付けるというのに抵抗がある人もいるでしょうが、「選ぶのも運命」「選ばないのも運命」と考えるのであればさもありなんという気がします。

ただ「冬木亜紀」という女性が高学歴で才色兼備、仕事もできてかつ料理も上手、まさに絵に描いたような「サバサバしたカッコイイキャリア女性像」と現実には少数派の女性であるために共感できる部分とできない部分があったのも事実です。
人間でもっとドロドロしてるんじゃないかなって思ったので。

読むか迷っている方にはとりあえず読むことをおすすめします。

どれくらいの愛情 (文春文庫) 直木賞をとった白石だが、まだこの小説を書いていたあたりは、くどいような文体が目立つ恋愛小説。とくに「ほかならぬ人」から白石を知った人がこの作品を読むと、がっかりか。しかしながら、九州の方言使いがリアル感を出しており、行ったことはないが風景描写など想像がかき立てられるのはやはりすごい！

直木賞、好きになった？喜びのダブル受賞会見

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