きみの知らないところで世界は動く
この作品を読んで
ひとそれぞれの「個性」を
一般的な「普通の人」の枠に押しこもうとする
今どきの「親」の姿勢を、改めて批判的に思い
親友「ジーコ」の個性的なキャラに大変共感しました。
思わず、クスっと笑えてしまうくだりがそこここにあり、
また、難しい言葉をさらっと使いこなす軽快なテンポもある作品で
最後まで一気に読み終えてしまいました。
ただひとつ気になったのは
「親友の突然死」というものを、主人公とその恋人のカヲルが
あんなにさらっとあっけらかんとしているように描いているのは、
わざとなのでしょうか。。
もう少し大きな心の動きがあるのでは?と読み終えてから感じました。
きみの知らないところで世界は動く (小学館文庫)
この作品は片山ワールドの原点だとよく言われます。
確かにそうです。片山さんのファンである私も、
読んでる内に、「あ、ここのシーンあの作品と似てる!」とか、
「なるほど、片山さんらしい表現だなぁ。」と思うことが
しばしばありました。
そういう意味で、片山さんのファンの人にはお勧めですね。
しかし、一味違うところもあります。
どこか雰囲気が違うのです。
片山さんの作品の特徴として「あっさり」した短さみたいなものが
ありますが、これにはそれがなく、
「愛」「生」「死」というテーマについて、どっしり考えた感があります。
ただ、この作品は「死」「喪失」という雰囲気は少し薄いかな・・・
ある意味大切な人が死ぬんですけどねぇ。
でも片山シリーズの中で1.2を争う名作です。
ぜひ読んでください!!
きみの知らないところで世界は動く
「世界の中心で愛をさけぶ」を読んで、少しいい余韻が残ったので
こちらも読んでみようと思いました。
他の方もレビューされてるように、確かに似たような登場人物だなと
いう印象をうけました。
本の厚さと共に内容も濃くはなったとは思うのですが、
全体的に単調で読むのに苦戦しました。。。
最後には、わりとあっけなく終わってしまい残念です。
この本の中には、色々な音楽が流れているのですが
私にはさっぱり聞かないものばかりで、そこらへんは取り残されてしまいました。
もし知っている曲などあれば、二倍にも楽しめたと思います。
主人公の友人のジーコという青年の哲学的考えは、納得感心する部分があり、興味を持ちました。
主人公との掛け合いもはたから見れば笑えるやりとりです。