墨東綺譚 [DVD]
永井荷風が、一生結婚しないと宣言しながら、女性達と楽しく生活をしてる。
そんな時に、純情なお雪と出会い、2人は惹かれあう。
紆余曲折をえて、結婚する2人だが、、、、
お雪(墨田ユキ)の演技が素晴らしいです。
艶のある女性ではないのですが、明るく、純情な役で、
底辺で生きている女性にあるような影がなく、
明るく人間として綺麗です。
私はHな映画なのかな?と思って、そんな気持ちで見ていたのですが、
途中で感動して泣いてしまいました。
苦労してきた人、他人の優しさに触れる事が少ない人は、
きっと感動する映画です。
墨東綺譚 [DVD]
遊郭に
「世の中の真実がある」というスタンスで映画が進行しますが
「遊郭に身を落とした人間は結局は幸せになれない」という結末を持ってくるあたり、見ていて少し辛い。ここを最初と最後に出てくるストーリーテラー役の「作家」にうまく語らせているところはうまい。
この映画のよさは、そんなところではなく、何気ないせりふが、かなり粋だったり、男と女、はいつでもどこでもそんなに変わらないということを語っている点です。
山本富士子さんの、引っ付くくらいの、男にまとわりつく愛情の表現はすごく良い。それが一番の見所です。あれくらい素直な愛情表現ができるといいねえ。
摘録 断腸亭日乗〈上〉 (岩波文庫)
大正から昭和の永井荷風の生活史である。
昭和の初期から、軍事色が強まって行く中、庶民が何も知らされず戦争に引き込まれて行く生活の実態を著している貴重な記録である。
女ぎらい――ニッポンのミソジニー
ミソジニーという概念そのものは、フェミニズムを少しかじった人間にとっては目新しくもなく、(レビュアーの一人が指摘しているように)ジェンダー論についての新しい視点を期待して読むとがっかりするかも。だいたい、ミソジニストとして最初に出てくるのが吉行淳之介だもんね。いまどき吉行淳之介なんて読む人いる?ただ、フェミニズムはその歴史的役割をほぼ終えたのではと思ってた私にとっては、いまだに女性蔑視が再生産され続けていることを認識させてくれたという意味で、価値がある一冊だった。例えば、最近のいわゆる「性的弱者」や「非モテ」援護論に潜むミソジニーとか。(この場合の「弱者」は必ず男のことだよね。よーするに彼らは、「我々にも人並みにおんなをよこせ」と言ってる訳だ。)女性の社会進出の進展と少子化の影響で、母親が娘に「息子」としての期待と「娘」としての期待を過剰に押し付けるが故に、母娘の関係が病的に歪んでしまうことがあるとか。今までフェミ論に縁がなかった人にとっては、目からうろこがいくつか落ちること請け合い。
摘録 断腸亭日乗〈下〉 (岩波文庫)
本書は断腸亭日乗から一部を選んで編んだものである。題名通り摘録かはわたくしには判断できない。本書を読み終えて興味を持った方は旧字旧仮名で書かれた日乗を読むことを勧める。