今までの無双とちがって媚びているキャラもいないし、引くくらいのアニメチックな攻撃もありません。どっしりとして重量感のある戦いを楽しめます。また武器も拾えることで、戦いに幅を広げているのも嬉しいつくりです。途中で唐突に神様が出てきて!?と思う部分もありますが、全体的にみるとバランスも良いかと思います。あとレベルUPのシステムではなく、アイテムでUPしていくシステムも良いですね。バランス崩すくらい強くならないですし、ある程度アイテムを集めたらアイテムを持つための枠を広げるアイテムを買わなければいけないなど制約があることでじっくり楽しめます。ただし、一面で見せてくれる空から矢が飛んでくるのを盾で防ぎながら進んでいくっていうのは一面だけの演出ですし、面が進んでもなにやら大軍VS大軍を感じさせてくれる部分が少ないです。メインキャラでウロウロしてせいぜい10人くらいの敵がいて倒す。たまに20人〜30人あつまっててそれを倒す。この繰り返しです。もっと戦況によって戦い方が変わるなど色々かわってくれれば何度も楽しめたかなと思うのですが、どうも一本道のゲームなので自分は一度クリアしたからもういいやって感じになりました。個人的には色々なキャラのストーリーをそれぞれ楽しめるようにした方がよかったのでは?もしくはクリア後にそれぞれのストーリーを楽しめるなどもう少しボリュームあってもよかったかなと思います。ただし、今までの無双よりはゲーム性はしっかりしているし、まだ現実感があるのでこっちの方が好きです。 TROY無双 関連情報
この時代のアメリカはイタリア旅行ブームだったのかと思うくらいによくロケに使っているが、デイヴィスは観客の求めるところをこの作品に盛り込んですぐにでも出かけたくさせてくれる。何度か登場する「ストレーガ」という黄金色のリキュールを探したがなかなか見つからず、やっと口にすることができたのは1999年夏の、映画と同じポポロ広場のバルにおいてであった。「ウン・ピッコロ・ビッキェーレ・デ・ストレーガ、ペルファヴォーレ」と言ってごらんなさい。カメリエーレは嬉しそうにあななたのテーブルに運んでくることだろう。夏の昼下がり、恋する二人の間にはカンパリよりも似合うはずです。 恋愛専科 [VHS] 関連情報
オープニングに野性の風(歌:今井美樹)が流れるシーンはとても心地良く、ハリウッド映画を感じさせるカメラワークは良かった。ところが本編が進むにつれ、いきなり生徒全員が踊り出したり、モデルアニメーションを駆使した特撮など、おかしなシーンの連続。妙な味わいのある作品へと変貌。奇想天外なストーリー展開で見る者を唖然とさせた。監督 大林宣彦 出演 林泰文 浅野愛子 南果歩 トロイ・ドナヒュー 尾身としのり 三田佳子 小林捻侍 漂流教室 [VHS] 関連情報
ハインリヒ・シュリーマンの『古代への情熱――シュリーマン自伝』(ハインリヒ・シュリーマン著、村田数之亮訳、岩波文庫)は、長らく私の愛読書であり、シュリーマンは憧れの偉人であった。ところが、2冊の本が彼に対する私の尊敬の念を粉々に打ち砕いてしまったのである。『シュリーマン――黄金と偽りのトロイ』(デイヴィッド・トレイル著、周藤芳幸・澤田典子・北村陽子訳、青木書店)では、驚くべき数々の事実が明かされている。「シュリーマンは8歳のときにトロイ戦争の物語に魅了され、いつの日かトロイを発掘することを心に決めた。彼は、子どもの頃の夢を実現するために十分なだけの資金を得るべく、前半生を商売に捧げた。ようやく、40代も半ばになって、彼はパリへ考古学の勉強に出かけた。1868年のトロイ平野への旅の途中、彼はヒッサルリクの丘こそがホメロスのトロイであるという画期的な結論に達した。すぐに彼は、トロイ探求者としてははじめて、自らの鋤によって自説を証明するという実際的な作業にとりかかった。1873年の6月に、彼の説は劇的なかたちで証明された。妻ソフィアの協力のもと、彼は市壁内から『プリアモスの宝』と彼が呼ぶことになる膨大な宝物を発見したのである」。しかし、「近年の研究は、それらがいずれも事実ではないことを証明している」というのだ。「考古学に対する最初の衝動についての話は、ほぼ確実にシュリーマンのでっちあげである。さまざまな証拠が、子どもの頃のシュリーマンはトロイを発掘する夢など持っていなかったという結論を示している」。それでは、彼の後半生の20年間、彼をホメロスの考古学に没頭させたものは何であったのか。初老に差し掛かって結婚生活が行き詰まり、深刻なアイデンティティ危機に直面していた裕福な一商人が試みた遅ればせの海外長期旅行の途上で、1868年8月、「ヒッサルリクこそトロイ」と主張する考古学者、フランク・カルヴァートにたまたま当地で出会ったことがきっかけとなり、考古学者として世界中から注目を浴びたいという野望を抱いたのであった。彼は、この野望を実現するのに十分な財力と、持続する熱意と、強かなマスコミ操縦術を有していたのである。そして、同時に、度を超えた自己中心癖と虚言癖も併せ持っていたのだ。古典学者のウィリアム・M・コールダーに至っては、「シュリーマンの自伝は、歴史的な真実を綴ったものではない。それは、彼が自分自身のために創作して事実として受け入れることを望んだ理想像なのである。シュリーマンの虚言癖に、伝記作家たちはうかうかと騙されたのだ」と、手厳しい。子供時代のエピソードにとどまらず、シュリーマンは「発掘の事実をかなり操作し、『出土品』のなかに購入したり偽造したりした品を混ぜ」るということまで行っていたのである。「考古学者としてのシュリーマンの経歴を考えるときにもっとも重要なのは、もちろん彼の虚偽とペテンである。シュリーマンの著書にはいたるところに虚偽の記述があり、それらの特徴は、彼の虚言癖が病的な域にまで達していたことを示している」として、それを如実に物語る多くの証拠が示されている。今や、シュリーマンは徹底的な偶像破壊の波に晒されているのだ。『甦るトロイア戦争』(エーベルハルト・ツァンガー著、和泉雅人訳、大修館書店)のシュリーマンに対する追及は、一層徹底している。「かれが47歳になる以前に考古学に対して何らかの関心を抱いていたことがあった、という事実」は、「シュリーマンがやりとりした少なくとも6万通にのぼる膨大な書簡から浮かび上がってこない」。シュリーマンは、ヒッサルリクがトロイだと言い出したのは自分だと強弁しているが、カルヴァートその人が、「わたしが1868年に初めて(シュリーマンと)会ったとき、ヒッサルリクこそがトロイのあった場所だという話について、かれは何も知らなかった」と、ザ・ガーディアン紙に表明している。「実際のところ、シュリーマンが本当に発見した考古学の発掘地はただの一つもなかった。これらに加えて、なかでも、自分はサンフランシスコで大火を経験したとか、二人のアメリカ大統領を猛問したことがあるなどと主張しているのだが、どちらも作り話である。最後には自分の経歴まで詐称しているのだが、これはアメリカの市民権を取得するためであったし、また最初の妻との離婚を容易にするためでもあった。・・・学問のために尽くすどころか、かれは結局のところ学問を誤った方向に導いてしまったのである」と、辛辣である。「シュリーマンのものとされているそのほかの業績も、最近の歴史研究によって真偽が問われている。たとえばかれがマスターしたとされている言語の知識などもそうである」。「シュリーマンがトロイアと呼んだのは、実はトロイアなどではまったくなかった。そうではなく、ある影響力の大きな都市の小さな構成部分でしかなかったのである。この事実が見逃がされたことによって、エーゲ海の初期古代史研究にとって恐るべき結果がもたらされた。これはバッキンガム宮殿を発掘して、そこから、ロンドンが発見されたという推測をおこなったようなものである」と、皮肉たっぷりだ。「シュリーマンはのちに発表した著作のなかで、みずからの功績をほぼ首尾一貫した形で自分の個人的経歴に反映させながら描いてみせている。しかし、みずから描いたその経歴のかなりの部分は創作されたものであった。また、その功績の大部分もシュリーマン一人のものではなかった。まずシュリーマンはその伝記のある部分を自らでっちあげ、内容を理想化して表現した」。ツァンガーは、シュリーマンの行った発掘の誤りを指摘し、その虚栄に満ちた実像を容赦なく暴いているのである。 シュリーマン―黄金と偽りのトロイ 関連情報
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特別版に比べ約30分強長い作品ではあるが、スケールの壮大な史劇を明確にまとめ上げていてるので、歴史ものが苦手な人でも十分に楽しめるような作りになっていると思う。しかも本作は莫大な制作費をかけてボリューム感のある映像と、監督の巧みな演出で見せてくる。アキレスを架空のヒーローにするのではなく、むなしい孤独の戦士として描写しているところがすばらしい。もちろん大船団、敵味方が入り乱れる壮絶な合戦シーン、闇夜に浮かぶ炎など緻密に計算された大迫力の映像美が満喫できるスペクタクル大作であることは間違いない。さらにディテールにこだわったような個人戦も見逃せないものとなっている。そしてユニークだったのがトロイの木馬だ。実によく出来ていたし勉強になりました。主演のブラッド・ピットの品のある中にワイルドさを併せ持つ描写、若年の総大将エリック・バナ、無鉄砲な若き王子オーランド・ブルーム、名優ピーター・オトゥールなど豪華男優陣の共演が見事。まさに絢爛たる娯楽大作といえる作品ではなかろうか。 トロイ ディレクターズカット(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray] 関連情報