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ジョン・トラボルタ パルプ・フィクション [Blu-ray]

押すに押されぬ名作として、さまざまのサイトで取り上げられていたので、教養として観てみた。地味な話といえば、地味な話である。地球を救うわけでもなく、超人的能力の持ち主も出てこないし、宝珠のように美しい恋愛もない。要約すれば、地域密着型ヤクザの勢力が地味に弱まる、ただそれだけである。しかし、面白いと私は思った。例えば、煙草である。この映画では、やたら巻き煙草が出て来るのだが、これが思わず笑ってしまうほど、旨そうなのである。普通、巻き煙草と言うと、人物のすさんだ感じやせっかちな性格を印象付けるための小道具として、ちびっと使うくらいであろう。ところがこの映画は、巻き煙草が主役かと思うほど、煙草にこだわっている。ミアの細長い指に色っぽく挟まる煙草、ヴィンセントがちまちま手巻きで作る煙草、ブッチがタクシーで憂さ晴らしにふかす煙草。みんな、実に旨そうに煙草を吸っている。特に、ヴィンセントを待つミアが、ソファに座って、Zippoで、ぽっと火をつけて、ぐっと吸い込み、ほわっと吐き出すシーンは、卓越である。そして、台詞。この映画の台詞は、妙に洒落ていて、そこも好きだ。私は趣味でシナリオなど作るのだが、シナリオ作りには、ストーリー展開や人物描写に関係のない台詞は削るという、原則のようなものがある。この映画は、その原則を大胆に破っていて、それでいて面白い。思い返せば、台詞の大半は雑談だったかも知れない。もうストーリー進行などお構いなしに、ひっきりなしに無駄話を続ける登場人物たち。ジョークも「おれのマグナムが」型のお約束のものではなく、軽妙洒脱で清新な、耳に心地よいものである。Oceans11のように、最近ではそういう台詞の映画も散見されるが、当時は画期的だったのではないだろうか。なぜこの映画が傑作と言われているか。それはおそらく、上記のような、発想の転換によると思う。それまでの映画は、人物描写のための小道具、ストーリー展開のための台詞、というように、小道具や台詞は引き立て役であった。それをこの映画では主役に持ってきて、それがなかなか面白いのである。この映画は評価が特に分かれているようだ。察するに、映画に舞台的な壮大や高尚を求める人には、しょぼい映画と思えてしまうのであろう。しかし、私はこの映画、とても好きである。壮大なストーリーの名画ももちろんよいが、この映画の俗っぽいところも乙ではないか。食べ物に例えると、他の名画はキャビア、これはポテチであろうか。映画鑑賞だ、などと気張らずに、安酒片手に、ちびちび観れるのがいい。まさに、Pulp Fiction(安っぽい作り話)である。 パルプ・フィクション [Blu-ray] 関連情報

ジョン・トラボルタ ジョン・トラボルタ ダンス・パック [DVD]

LDのサタデーナイトフィーバーを鑑賞中、機器が故障し途中で観れなくなってしまった。仕方がないのでDVD、ついでにこのパックを購入した。サタデーナイトフィーバー編のダンスコンテストでのプエルトリカンのダンスは秀逸、何回もリピートしてしまった。 ジョン・トラボルタ ダンス・パック [DVD] 関連情報



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