半分の月がのぼる空4の『夏目吾郎の栄光と挫折』〜『僕たちの両手は』
半分の月がのぼる空7の『雨 fandango』前編から
夏目吾郎、小夜子夫妻のストーリーがピックアップされた今回の作品。
夏目、小夜子の話に絞ったことで、全体的に非常にまとまりのある、高純度の一枚に仕上がっています。
小夜子の声が某唯我独尊破天荒少女になってしまうのでは…という一部のファンの不安はどうも杞憂に終わったようです。
細やかな感情表現、ここぞというところの声色の塩梅、そして、絶妙なほにゃほにゃ感…うーん、平野 綾、恐るべし。
そんな小夜子にまったく劣ることなく、むしろそれ以上の名演技を見せてくれた吾郎役の小西 克幸。
やり場のない感情が爆発した夏目、直面した悲しみをこらえる夏目、そして小夜子との幸せな時間を過ごす夏目。
まさに『夏目吾郎』そのものだったのではないでしょうか。
それに、私としては『BGM』と『トラック名』にも注目してもらいたいと思います。
ストーリーの世界観にあった音楽。各トラックラストの話のない30秒前後の時間を、ここまで有意義に、気持ちよく過ごせるとは思いませんでした。
また、トラック名にも物語がたくさん詰まって、ジャケットを見ただけで心が震わされました。こんなの初めてでしたよ…
半月ファンのみならず、多くの方々に聞いていただきたいなぁと思える一枚でした。
今後の2枚にも大いに期待したいと思います。
原作四巻の夏目と小夜子の話(一巻)を抜いた部分と五巻の一部が主な内容です。主要声優陣の名演、素晴らしい音楽、まさに文句のつけようのない一枚です。本当にこの作品に出会えてよかった。全五巻出て今更なんですが、田村さんの里香は少し幼すぎるような気が…
ようやく仲直りし、互いの距離を縮めていく裕一と里香。しかし裕一は手術を決意した里香の症状が思っていたより遙かに重いことを知り衝撃を受ける。そんな時、里香が裕一の通っている学校に行ってみたいと言いだし、裕一は父親の形見のカメラを持ち出して……。
二人の絆が深まっていく第3話・第4話収録です。
この小説は、とてもゆっくりしていて、穏やかな世界観でつくられていると思います。 だからと言って、普通すぎるわけでもないんです。 なんたってゆきなのお兄ちゃんは…
話の進み方としては、数々の有名な小説と一緒に進行していく。という感じです。 主人公のゆきなは、兄の影響でたくさんの本を読んでいます。 それらにはやはり、たくさんの感情があり、また、それらはゆきなの今の状況と少しばかり似ているのです。
この小説の帯には、 ゆきなと、ゆきなのお兄ちゃん、禎文。そして恋人の香月君のことしか書いていませんが、他にもたくさん出てきます。
この小説を読んで、 再度、人の心の暖かさや、愚かさ、それでもやはり、ここにちゃんと自分は生きているという事実を、よくよく考えさせられ、実感する事ができたような気がしました。
半月のファンになって、もうかなり経ちますが、この作品はおそらく自分にとって一生モノです。
半月は、命を失うコトの寂しさ、切なさ、ただの日常がこんなにも大切だというコト、その他にも色々、伝えきれない優しさがあるお話です。
小説やマンガ、アニメやドラマ、CDなど、ファンを裏切らない作品にもなっています。
今回でドラマCDも3作品目になりましたが、やはり笑いあり、涙ありでした。
里香の怒る顔、裕一が苦悩して夏目に歯向かう様が、頭に浮かんできます。
最後の方の、小夜子の『銀河鉄道の夜』の朗読も、グッときました。
本当に優しくて、でも現実的なストーリーの半月の魅力には、参ります。 そして山本先生のイラストは、まさに半月を飾っていると思います。
まだ半月を知らない方がいるなら、ぜひオススメしたいです。この半月は、最高です! CDも、また続編が出ると聞いて、ガッツポーズもしました♪ なので、首を長くして続編を待ちたいと思います!
残酷な道のりでも、必ず光があると信じて、里香と裕一には、頑張ってほしい!
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