フランス生まれのレオ・ドリーブ(1836-1891)は「バレエ音楽の父」と言われており その音楽は親しみのあるものばかり。観る方も踊る方も楽しいバレエと言えば これもその一つで喜劇的バレエの代表作です。発表会でもよく取り上げられています。
第1幕2曲目のスワニルダのワルツはソフトバンクのCMで流れていたので きっと皆さまも「あっ、知ってる!」かと思います。優雅で素敵な調べです。
お薦めは、1幕では「麦の穂のバラード」「スラブ民謡の主題によるヴァリアシオン」で 2幕2場の「鐘の行進曲」とそれに続くディベルティスマン(余興)も私のお気に入りです。 特に「時のワルツ」「戦いの踊り」はグッド! 終曲の「ギャロップ」は華やかな舞台が 目に浮かぶほど。
1912年生まれのジャン=バティスト・マリはラムルー管弦楽団で活躍した指揮者です。 演奏はパリ初演版によるもので、マリの名盤の一つであります。鮮やかでリズムも 素晴らしく思わず踊りたくなるほど。コッペリアはワクワクする明るい曲が多く とても聴き易いので是非どうぞ。
因みにコッペリアは人形の名前で、主役はスワニルダ(女性)とフランツ(男性)です♪
アンセルメ指揮スイス・ロマンド管によるドリーブのバレエ音楽「コッペリア」と 「シルヴィア」のハイライトをおさめたもので、1960年の録音です。 50年近く前の録音ですが音質面では十分満足のいくものであり、デッカ社の録音 技術の高さがよくわかります。また、演奏そのものも非常におしゃれですてきな ものであり、アンセルメが今でも高く評価されているのもよくわかります。 コッペリアでは第1幕の冒頭のホルンが伸びやかで美しく、ワルツもチャーミング、 チャルダッシュも爽やかに快走しています。第2幕の曲はそれほど耳にする機会が ありませんが、もっと演奏されてもいいような曲ばかりだと思います。 シルヴィアも堂々絢爛とした演奏です。4曲だけの収録ですが全曲のエッセンスが 凝縮されたような立派なものです。 収録曲は以下の通りです。 ○コッペリア 第1幕:前奏曲、マズルカ、アンダンテ、チャルダッシュ 第2幕:情景の人形のワルツ、ジーグ、時の踊り、祭りの踊り、ギャロップ、 フィナーレ ○シルヴィア 前奏曲「狩りの女神」、間奏曲とゆるやかなワルツ、ピチカート、バッカスの行列
キーロフ・バレエは踊りは上手いが、オレグ・ヴィノグラードフによる新版振付演出はボリショイ・サーカスの要素とストコフスキーがよくやる手で選曲された曲順なので通常で慣れていると違和感があります。それはこのDVDを初めて手にした時にそう感じるかも知れません。 イントロの「マズルカ」の後に始まる第1幕の「ワルツ」がコッペリアの踊りに入っていていてかなり曲が入れ替えられた。男性の踊りの衣装はパントマイムで着るようなものだし、あの村人が踊る「マズルカ」が第2幕に移っている。DVDパッケージも説明不足だしはっきりとヴィノグラードフ版と明記していれば私としても納得できました。 また、私としては読み替えによるものより通常上演されるパターンが好きですが、このDVDはクラシックに興味はなく映画やお芝居が好きという人にはいいかも知れません。それも通常のロマンチック・バレエと比べてみるものも楽しみの1つかな、と思います。
良い演奏をしていますね。カラヤンの名盤です。 実際のバレエ公演やバレエのDVDでの指揮者はたいてい名前も訊いたことの無いような指揮者ばかりです。 このカラヤンの名演を聴いてしまうと、実際のこのバレエを観ても、音楽が軟弱に聞こえてしまうほどです。 コッペリアの全幕全曲録音でなかっということで星4つ。 また、このような名演奏で実際のバレエを観てみたいです。
ロマンティック・バレエの名作コッペリアを、キーロフ・バレエが新たな演出で上演したものです。そのためオリジナルとはステップや曲順も異なります。舞台や衣装もカラフルで、農村劇なのに華やかで都会的です。オープニングが、スワルニダとフランツのキスシーンから始まることや、コッペリウスの家がマッド・サイエンティストの研究所のようになっているのも、現代風の演出のためだと思います(それになぜか、コッペリアはとてもキュートです!)。また、撮影されたのが新しいためか、ロシアバレエの映像としては非常に綺麗で、さらに華やかに見えます。 しかし、そのためコッペリアの原作が持つおどろおどろしい雰囲気は無く、人物描写、特にコッペリウスは、薄っぺらいものとなっています。個人的にはプティ版の演出の方が、このバレエの現代的解釈として正しいと思います。 ただ、お気楽に楽しく可愛いバレエを鑑賞したいのならば、オススメの一本です。
|