昔、姉が映画を見終って家に戻ってきて、パンフを見せてもらったら(確かシネマスクエアとうきゅうだったな)、なんと「私生活のない女」だった。そのとき姉は高校生だったろうか…。
僕はテレビで「ダーティーハリー」などを観て、子どもながらにベッドシーン等には慣れていたつもりだったが、さすがに「お姉ちゃんってすごい」と思った。それがトラウマになっているのか、いまだにこの作品は観ていない。
「狂気の愛」や「ポゼション」は映画館で観たのに…。
あまり言及されないが、ドストエフスキーの『悪霊』の映画化がモチーフになっている作品である。 『悪霊』は、『ノスタルジア』『中国女』『地獄に堕ちた勇者ども』や、ワイダの『悪霊』ほか、広く映画作家に影響を与えているが、この映画の『悪霊』が一番原作に忠実だ。もちろん全編『悪霊』ではなく、現代(この描写は陳腐だが)を舞台にストーリーが入れ子状になっているだけなのだが、完全版のズラウスキーの『悪霊』を見てみたかったような気もする。
この監督はくせがあり、正直他の作品はまったく評価しないがこの作品はいいと思う。 廉価版の発売の歓迎したい。
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