インテリジェンスというと、ゴルゴ13で活躍するSIS、KGB、CIA、そしてモサドなどの エージェントが跳梁跋扈し、盗聴、暗殺、政府転覆などの非合法活動をするイメージを 漠然と持っていた。ポロリウムによるリトルネンコ氏の暗殺など、そのような活動は 現在もあるだろうが、実際のインテリジェンスの現場は、情報収集と考察の積み重ねに 基づくものであることが本書を読むと明らかになる。 「秘密情報の98%とは公開情報を整理することで得られる」、というコメントは、一見、 インテリジェンスという華やかなイメージと相反するようにも聞こえるが、費用対効果、 効率性の点から考えれば当然のことであり、プロの凄みを感じさせるものである。
日頃なじみの薄いインテリジェンスの世界の入り口に導いてくれる面白い本である。深く読み込んでゆくならば面白い世界観が養われる本で日常の何気なく過ぎ去っている世界情勢の裏読みの一助となるかも。
これは恐らく知る人ぞ知る音楽家でしかも映像作家でもある高木正勝によるLIVEの模様を、本人のインタビューやリハーサル風景などを織り込んで製作された映画「或る音楽」の収録されたDVDである(本人は映像を作っている人間だと言っている。映像に足りない要素を音で足すらしい)。まあ映画とは言うものの、内容としては先に述べたようにLIVEのドキュメンタリー映像。
以前までの高木さんの作品と比べるとだいぶテイストの違う、神話という世界を表現した今回の作品全体に沸き立つどこか物寂しいけれど懐かしいとも感じるこの雰囲気。彼も「そろそろ日本の音楽を作ってみたかった」とどこかで発言していたような覚えがあるが、わたしは彼のこちらのタイプの音楽の方に惹かれた。わたしはラジオから『Tai Rei Tei Rio(曲名)』が流れて来た時に自然とそちらに耳を奪われたのを覚えている(ただ、この曲を聴いた時にまず頭に浮かんだのはヨーロッパの情景と民謡なのだが(笑))。直ぐさま曲名を検索し、この人物の存在に辿り着いた。いや本当に出会えてよかったとつくづく思う。 CDを聴いてこの人の音楽はよいと感じた、感じている人ならば、この作品を見ることによってその音楽に映像を足してみるのはいかがだろうか。
より具体的な感想としては、今回のコンセプトに基づいて作られた訳ではないが高木さんがライヴの際などには必ず演奏する代表曲『Girls』のピアノソロパフォーマンスを映像で見られたのがよかった(本編の編集されたバージョンとスペシャルコンテンツのフルバージョンの二つ)。美しい小川の水の流れや森の木漏れ日、また風を連想させる、「音」だけでも非常に心地よい曲だが、やはりその音にも演奏シーンという形での「映像」を足して聴きたい。特にピアノ曲は演奏シーンと合わせてこそ感動が大きくなるような気がするからだ。 ちなみに私は「Private/Public」というアルバムに付いている楽譜を参照しながら趣味でこの曲を練習中なのだが、これを見た後は以前にも増して練習する意欲が湧いた。早くあの演奏を自ら体現したいものである。 ちなみに聞いたところによると、この曲にはよくアドリブが入るらしく、弾く時々によって弱冠違って聞こえるそうなのだが、たしかにアルバム「Private/Public」の時とこの作品のバージョンとは少し違うようであった。これらや他のLIVEの音源とを比べてみるのもおもしろいかもしれない。
他、このアルバム独自の曲に関して言うなら「Homicevalo」と「Tidal」が特に良いと感じた。前者は静かで悲しい、人の嘆きと表現したらよいのだろうか。鬱気味の人は聴かない方がよいかもしれない曲。しかし浸りたいと思える世界感がある。後者はただただ美しい。この「或る音楽」の中では一部しか見られないが、潮の満ち干きのごとく行ったり来たりする女の子の顔で表現されたPVもなかなか見応えのある作品である。ライヴなどに行けば全編が見られるが、これを見て中には「怖い」と感じる人もいると思う。何せ眼前に揺らめく女の子の顔には明らかな生気が漂っていないからだ。この映像はミレーの絵画「オフィーリア」の続きをやっているつもりで作ったというが、まさにあの絵のごとく、人の生きた状態から死へと変化するその刹那の情景の美しさがこの映像にも見事に描かれていると思う。一見生きてはいるのに同時に死を連想する。怖いとも思える。しかし見入ってしまう不思議な魅力的な作品。(DVDとして一般発売されていないのは実に残念。そしてこれからもこの作品は一般向けに大量生産されることはないらしい。よって、このPVの全編を高画質で視聴するためには、どうやらライヴに行くしかないらしい。購入することも出来なくもないが非常に高価だという。しかしライヴの方が間違いなく感動が大きいということは想像に難くない)。
最後に、音楽や映像作品とはあまり関係のないことだが、映画の中で正勝氏が露店のような場所でサザエを食べているシーンがあるのだが、それがなんともほのぼのしく感じられて、意外に好きなシーンである。
「あわせ鏡」の佐藤龍一の歌を聞いた。 昔の相方伊藤薫は「ラブイズオーヴァー」などのヒット曲の作曲家として有名になった。佐藤龍一はこんな形で帰って来たのか。 ひとつひとつの言葉が心に刺さる。 最初に「なけなしのジョニー」のピリッとギターを聞かせてくれる。 「サークルゲーム」は”翼を広げて” ”君を守りたい” ”自分を信じて”などの決まり言葉ばかりの唄ばかり聞いている若者たちにわかってたまるか。あの時代を生きてきたものの宝物がわかるものか。 「生まれてこなかったものたちへ」で自分が生きている事自体がいかに貴重な事なのかを歌い、「迷子のデスティニー」で悲しみのどん底からでも生き続けてゆく自分を歌う。 無くして初めてわかる大切なもの、それはこのアルバムが体現している。
仲悪い感じがいいですね。
今はそれぞれ主張せず、坂本がこうしたいと言えば細野は「ふ〜ん、いいんじゃない」で、ユキヒロは「二人がいいなら」な感じなので詰まらないような気もしますが。
今のYMOはもっと太いシンセベースでたまにはテクノポリスやソリッドステイトサヴァイヴァー何かをやって欲しいですね。
松武氏の効果音が無いと物足りないな。
箪笥背負って一緒にライブやって欲しいな。 あの頃のように。
和田求由くんカワユイな
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