話題作で興味があり購入しましたがとても満足しています。商品の梱包も丁寧で安心しました。
名匠として、時代小説の歴史にその名を燦然と刻む藤沢周平。 その匠の技と魅力とを手っ取り早く知ろうとするなら、 この「隠し剣」を素材とするこの短編集はまさにうってつけではないか。 そういえばここ数年、「隠し剣」のシリーズから何本か映画が作られたが、それも納得である。 たしかに映画にしたくなるもの、かつ映画として成功するだけの理由が、ここにはあると思う。
「隠し剣」というからには、日ごろは人に知られていない秘密の剣技である。 なんといってもこの設定の着想が魅力だ。
たとえば、かの有名な佐々木小次郎の「燕返し」であれば、 世に鳴り響いた技であっただろうし、どのような技かについて、イメージぐらいは一般にあったであろう。 実際には、その技の詳細を知ることは対戦相手にしか許されず、 ということは知ることはそのまま死を意味したかもしれないにしてもだ。
しかし「隠し剣」の場合、技の正体は不明であり、場合によってはその存在すら知られていない。 というわけで、どのような技なのか、というのがまず謎としてあって、読者をひきつける。 ミステリーなのである。
だがミステリーというのなら、謎としてあるのは、剣の技もさることながら、 それ以上にそれにからむ人間たちについてのものだ。 秘技が生まれるには当然それなりの経緯がある。 また、それが秘密のベールを破って使われるとなると、それ以上に人間のドラマがからむ。 こうした事情を明らかにする中で浮かび上がる人間像、その心象風景こそが、 つまるところこの短編集について真に魅力的な点だろう。 それはまた、この作家の持ち味が最も発揮される点でもあると思われる。
そう考えると、「隠し剣」という共通項のもとに、さまざまなタイプの技が描かれ、 同時にそこに潜むさまざまな事情や人間模様が描かれる「連作短編集」という形式はもってこいである。 バリエーションが実に楽しい。手元において、じっくり読み味わえる本だと思う。
とはいえ気軽に読める話かといえば、必ずしもそうではない。 若い頃はひたすら暗い作風だったというこの作家の物語は、ときに重い。 描かれた真実が心に沁みるわけだが、重さを敬遠する読者があっても不思議はないだろう。 そうなると好みの問題といわざるを得ないわけだが、それでも語りの巧みさは疑いようがないと思う。
特に印象深かったのは、最近、豊川悦司の主演で映画になった「必死剣鳥刺し」。 映画についてはほとんど知らないが、なるほど注目すべき作品なのはよくわかる。 寝る前に読んだのが、翌朝まで深く深く心に残った。
男手一つで子供達を育てるリアルな主人公も、大人同士故に身分を越えられないヒロインとの恋も、全ての登場人物が人間味溢れ輝いていて観た後胸がいっぱいになる作品です。
強いのに強さをひけらかさない、貧乏だけど優しい主人公も好感が持てて好き。
人間ドラマだけでなく格好良い切りあいのシーンもあるのですが、主人公が小太刀?の使い手というのも変わっていて面白いですね。
新鮮だし格好良かったです!
主人公の真田さんは勿論良いですが、宮沢りえさんも良い表情するようになりましたね。
ラストサムライでも真田さんの殺陣が一番格好良かったので、真田さん主人公の時代劇が見れて大満足です。
2時間とは思えない位いっぱい詰まった映画なので、是非一度見てみて下さい。
私は持っておりませんが、東京弁にどっぷり染まったおばさん(68歳)に、あることの御礼に送りましたところ、非常に喜ばれました。当方山形県は庄内にて庄内弁は分かるのですが、他の地域(県内でもところ変われば外国語と同じ)の方言ははじめて聞くことばもあり、文字だけではイントネーション等、さっぱり分からずなんですが、CDの読み上げが同梱されているので、そちらでも十分楽しめたそうです。 今度、母の兄弟姉妹(七人)が実家に集まるときに、「山形方言かるた」を持参し、皆でカルタ取りをするんだと楽しみにしているようです。 当然、私しも押しかけて強引に参加するつもりです。
とにかく、あまりにも切なすぎて、苦しくなるほどでした。一人の人を、あんなにも一途に愛せるのかと思いました。文四郎の愛し方は、恋ではなく愛でした。人を愛しむということが、美しく、切なく、優しく、暖かく、苦しいものだと、思い出させてくれました。内野聖陽の殺陣は、かなりのもので、素晴らしいです。文四郎の男らしさや優しさや、福の芯の強さも、かなり良かったです。何回も観たくなる作品です。 とにかく、内野聖陽の演技の素晴らしさに脱帽間違いなし。
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