水野良が描くSF大河ドラマ。 敗戦で祖国を奪われた仕官候補生が、訓練航海中だった戦艦を買い取り軍事国家と対決していく物語。とだけ書くと硬派なお話のようですが、士官候補生の中の少女たちの描写がメイン。男子も結構出てきてるはずなのですが、影が薄いです。 第1部で物語中での主人公たちのポジションが決まりかけ、物語中で半年の休戦状態が続いたところから始まります。続刊がどうなるか分かりませんが、激しい展開の序奏を感じさせます。 物語としては、青春モノのノリかも。やっていることは戦争なのですが、それに対する姿勢や、艦内恋愛をしたりといった点は学園モノを彷彿とさせられました。 ストーリーの他、背景設定が凝っていて面白い。 SFとしての科学技術の分野は、ファンタジーにならないように比較的地に足のついた設定になっています。宇宙船の中は無重力だし、人間に近いロボットもいない。これがないと宇宙モノ的にどうしようもないワープ技術も制約だらけです。ちょっと目を引く点としては、量子通信機のおかげでインターネットは全銀河からアクセスできるようになっている、ということでしょうか。(ただ、量子通信装置は「原理的に」実現不可能だったような…まあそこまで要求するのも何ですけど) 社会的な部分を描いた部分では、未来のお話と言いつつ現代社会の投射そのもの、といった感じで現代と比べて読むと少し笑えます。上述のインターネットの使われ方など、まんま今と同じですし、国際関係も21世紀初頭を意識したつくりになっています。テレビ局を戦艦に載せて戦費を稼ぎながら戦っている、という設定も極めて現代的と思われます。 比較対象として適切かはわかりませんが、SF宇宙モノで大河ドラマ仕立ての『銀河英雄伝説』では、戦闘は大規模、社会は封建時代、男だらけ、通信は高コスト、と時代の差のようなものを感じます。 個人的にはすごくツボったのですが、読み手はある程度選ぶと思うので星4つ。
スターシップ・オペレーターズ、久方ぶりの新刊。 物語が進み、加熱していくにつれて、徐々に政治的な面が濃くなってきているように感じます。 以前の人間関係がメインのような、息と肩の力を抜いて読める雰囲気の方が好きだったという方は、評価の別れるところ。 まあもちろん、好き嫌いが別れるだけであって、面白さの面では全く変化なし、いやむしろどんどん上がってきているような気がするのが、僕の感想ですが。
「radiance」はアニメととてもマッチしていますが、その曲の完成度は 非常に高いです。 若者たちの疾走を後押ししてくれる、この曲を聴けば きっとあなたも走り出してしまうこと間違いなし! 「地に還る」は、その走り出した若さを、ふと立ち止まって 独りよがりだった自分に、多くの人たちの手助けがあったことを 気付いて、大人になっていく・・そんな感じです。 感動します。いい歌&曲(アレンジも)です。オススメ!
原作が水野良と後から知って「あぁ流石だな」と思いましたね
当りハズレは確かにあるものの、水野氏の想像力・独創性は確かな物
今作でもそれは証明されたのではないでしょうか?
基本設定こそオーソドックスな物だったが、マスメディアをスポンサーに独立艦隊(1隻ではありますが)
による戦争を成立させるあたり、上手いなと感じましたね。
物語の肝はそれだけにとどまらず、士官候補生達若者の人間ドラマ 生と死、恋愛まで
話数の関係でこじんまりと早足になってはいるものの、最低限描けていたし
特殊設計された戦艦を登場させる辺りも、中々にマニアックで良い演出だったと思います。
OP・EDそして作中のBGM共に完成度が高く、映像面だけでなく音楽面でも成功していたと言えるでしょう。
1クール13話、かつ原作は未完という事を考えても
このシリーズ構成・脚本は優秀と言えますね。
遭えて不満点を述べるとしたらキャラクターデザインの弱さかな?
悪いと言う程酷くは無いのだけれど、もう少し個性を出しても良かったと思います。
ここ数年、ライトなSF設定物で成功している作品が多い印象をうけます。
今度原作の方も読んでみようかな?そんな気にさせる良作でした。
この小説は星域を独立させるために武力で惑星国家を制圧していく 同盟宇宙軍こと王国に祖国キビ(日本の殖民惑星)を奪われた 防衛大学校幹部候補生達が王国の暴挙に抗議するためその姿を メディアに載せたった一隻の宇宙戦闘艦で反乱を起こすという話です。 宇宙戦闘艦の戦いはもちろん政治面の話も出てきたり、9人もの 女性オペレーターが出てきて目移りしちゃうなと感じるなど バラエティに富んでいます。 SF好きなら手にとって損はないと思います。 ライトノベルらしく読みやすいのもいいですね。 まさに活字のエンターティメント。お勧めです。
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