絶滅の真相を探るストーリーだが、その原因は意外なものだった。むしろ衝撃的と言っても良いだろう。 前半は恐竜の時代の終焉がドラマチックに書かれており、ちょっとしたTVドキュメンタリーのようである。哺乳類の時代となってからのマンモスの進化的考察はわりとあっさりした記述で、天敵といかに遭遇したかという当たりからが充実している。殺戮曲線という禍々しい言葉と、わずかな個体数が減少するだけで絶滅にいたるという理論のもとに、いかに種が淘汰されうるのかということを検証している。 この議論はなかなか新鮮で、特に「動物には個体数に応じた生息域が必要で、生息域が必要面積を下回ると絶滅の危惧がある」という話が非常に興味深かった。 このシリーズにしては非常に読みやすいのでボリュームも気にならない。エピローグも洗練されていてなかなか気に入った一冊だ。
著者のスタンスが面白い。 森の中に入る時も、ビッグフットを発見したり、その証拠を見つけようとしたわけではないという。
森や山に入り、バイクで轍ができた登山道を歩きながら、ビッグフットを想像する。この場所にビッグフットが住んでいるとしたら、どんな姿をして、どんな能力を持っているのかと・・・
自然大好きなオジサンが、ビッグフットという生き物を通して、自然や社会、そして人間を見つめなおしているという感じ。
「もし、ソローがウォールデンの池のそばで大きな未知の足跡を見つけたら書いていたであろう本」と言っている評論家もいるそうだ。
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