著者は、免疫系の研究でノーベル賞を受賞した分子生物学者。意外だったのだが、著者は現在、MITで脳科学の立場から動物の記憶能力についての研究を行なっているそうだ。
本書の内容は、自伝的に語る「科学者のあるべき姿」についてと、ここ20年研究している脳科学について。講演やインタビュー、対談をまとめたものなので、1冊の本としてのまとまりに欠ける。待合室で読む軽い本。
利根川氏を立花氏がインタビューして、利根川氏の大学院時代からノーベル賞受賞にいたる研究の流れをまとめた本。2人のインタビューをベースに、適宜分子生物学のバックグランドに関する解説が入っています。この解説が秀逸で、分子生物学が一般の方々にも理解できるように噛み砕いて説明されています。この点で、立花氏の頭脳が如何なく発揮されていますね。また、サイエンティストとはどういうことを考えて、何をしている人たちなのかが垣間見れるという点でも面白いのでは。サイエンティスト、あるいは学問とはどうあるべきかという主張も力強く、含蓄に富んだ本でした。
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