ふと、手にしたこの本は、久しぶりに心が澄んでいく何かをプレゼントしてくれた本でした。ミナのデザインは、無駄がなくシンプルなのにどこか厳かな手触りのある空気感があって、まぎれもなく本当にオリジナルなブランドですよね。その秘密のエッセンスがこの本から伝わってきました。 皆川明さんのデザインへの情熱が語られている言葉のページは、詩のように しんしんと心におりてきて、今もミナのちょうちょのように心にとまっています。これからも皆川さんの旅のかけらを知りたいし、読みたいです。
思っていたとおり、とてもかわいいプリントたちでいっぱいでした。最新の2005SSまでしっかり入っています。 きちんとシーズンも素材も最後にコメントといっしょに解説もあり、ますます楽しめました。・・・ひとつ難点といえば、最後の索引とページのあわせ方がわかりにくかった事かな?(ページに数字が2つある??) でも、ただ、眺めているだけで幸せな気分になれるすばらしい本です。難点を補って余りあるので星5つです!
tambourine。本書の装丁にもつかわれている、ミナ・ペルホネンの代表的なパターン。 円は正円ではなくフリーハンドで描いた円で、円を縁取るドットの間隔は不均一だ。 その非対称、不均一が人にとって自然だと皆川はかんがえ、私たちはその服を心地よいと感じる。 百年続けるという意思のなかには、皆川が魚市場で働いた記憶が色濃く残る。 一つとして同じ魚はないが、獲る人、吟味する人、運ぶ人、無名の人々の職人技が、最終的に豊かな食卓をつくる。 ふくも、一人でつくるのではない。本書には多くの職人が登場する。 無名だが、高い技術を服作りに用いる人々だ。 彼らの技術をまもるために、つくった服を、多くの人に届けたいと皆川は思っている。 でも、大量につくることではない。 少しずつつくって届け、それを百年つづければ、一度にたくさんつくるよりも、もっと多くの人に届く。 その時皆川はいないけれど、ミナ・ペルホネンの服は誰かに届けられるだろう。
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