さすが井上先生という一冊でした。 ますます、剣道が好きになるきっかけの本です。
「コーヒー・ルンバ」の井上陽水によるカヴァーがHITしていた頃に発売されたもの。 西田佐知子の代表曲を集約した、マキシ・シングルと言うよりはミニ・ベストといった感じです。 ちなみに1,4曲目がモノ、2,3曲目がステレオで収録されています。
「範士」という資格があります。 武道において、最高位にある者にのみ許される称号です。 著者の井上義彦氏は「剣道八段」にして「剣道範士」。
ちなみに、財団法人全日本剣道連盟が「範士号」を授与する条件は、以下のとおり。
1.範士は、剣理に通暁、成熟し、識見卓越、かつ、人格徳操高潔なる者。 2.教士八段受有者で、八段受有後8年以上経過し、加盟団体の選考を経て加盟団体会長より推薦された者、 ならびに全剣連会長が適格と認めた者。
「人格徳操高潔なる者」井上氏の手による本書から、実に多くのことを学ばせていただきました。 「日本をもっと知り、好きになろう」 、これが本書の提言。 「一道を極めた者は、すべてに通暁する」とは、 「もののことわり」は普遍的なものであることを意味しているのでしょう。 神道、仏教、儒教など、本書から抜き書きしたメモは、 バイブル・サイズのリフィールで64ページにも及びます。 その中から、印象的な言の葉を記しておきます。
「自分の、あるいは人間の未熟さを自覚できる者だけが、自分を高められる」
大成者にして、この謙虚さに我が身を恥じるばかりです。 「凛」とした気分が読後に漂う名著です。
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