このメンバーで駄作になる訳無いです…今まで世界のバロック演奏を背負ってきた名人達のアンサンブルの愉悦…余りに素晴らしい演奏で呆然としました。
ゼレンカは「ボヘミアのバッハ」と呼ばれ、ドレスデン宮廷で活躍した人なんですが、その作品の大半がカトリック典礼音楽のため日本では知られていません。唯一といってよい音源はデノンから二枚組が出てるだけです…これが素晴らしい!
ゼレンカの曲は典型的なバロックなんですが、ビバルディほど明るく楽天的ではなく、バッハほど暗く思索的ではない…ちょうど良い感じです。このソナタ集は二本のオーボエとファゴットの絡み合いが、意外にスリリングで、バロック演奏におけるアンサンブルの妙が存分に楽しめる作品となってます。
もっと、ゼレンカの作品の録音が増える事を望みたい…その試金石としては十分過ぎる名演です。
バッハのヴァイオリン協奏曲全集などでも評価の高いカントロフ。フランス的(という定義も曖昧ですが)な美しさが至るところに現われているような気がします。今回はオーボエとの二重協奏曲、そしてフルート・チェンバロとの三重協奏曲。ケネディや最近のほかの録音と比較するとテンポは若干遅めでしょうか。でも、それだけヴァイオリンやオーボエの音色ははっきり聴こえるし、アンサンブルの妙なども実感できます。疾風怒濤タイプの演奏が好きな人にはお勧め出来ませんが、音を丁寧に作りたいというモットーの人にはぴったりかも。演奏する際のサンプルとしても重宝できると思います。
私はこのCDを20年ほど前に6千円で買いました。それが今では1500円程... あまりの音の良さに、最初はデジタル録音かと勘違いしていましたが、アナログ録音だったのですね。 ルツェルン弦楽合奏団のとてもふくよかな優しいサウンドです。一昔前に流行った古楽器による弦楽合奏の残像音が途切れるようなサウンドではこのような表現豊かなサウンドは出ないでしょう。 第5番の演奏は特筆もの、これより素晴らしい5番にはであったことがない。カール・リヒター版もこの5番の美しさには及ばない。
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