2001年に発売された発掘盤。しかしなんとも31年も経ってから発表されるなんてねぇ、聴かずに逝ってしまったFanを思うと残念だったろうねぇ。これはTen Years Afterが残した最高の音源でしょうね。人気絶頂の1970年2月の聖地Fillmore EastでのLiveなのだから演るほうも聴くほうも気合が違う。WoodstockとWightの間の時期なので油ギッシュな演奏が全編に繰り広げられる。好きな人には堪らない2時間だ。
個人的にはいつもながらAlvin Leeの歌はミャーミャー声で音程も不安定だし、ギターも早弾きの先駆者とは言え当時からワンパターンの3連符4連符の繰り返しで少々飽きる帰来もあるのだけれど・・・。しかし当時はコンサート会場は酒と煙草は勿論のことドラッグを避けられない状況だったことを考えると、ラリって延々と繰り広げられるアドリブ演奏を聴くのが最高の楽しみだったのだから良しとしましょう。二日間の音源が納められているのですが、全曲なかなかの出来で特にDisc2のアンコール3.4.5.6は素晴らしいですね。
曲目はファンが聞きたい曲は殆ど入ってますから最高でしょうね。録音は流石Fillmoreで綺麗です。聴いているとバック陣の演奏力も素晴らしく、過小評価されていたかもしれませんね。新たな発見はDisc2,1で聴かれるAlvin Leeのスライドプレイ、下手ですねぇ(^^;;。
蛇足ですけど、当時「Love Like A Man」のシングルが発売されて僕は購入したのだが(今はもう無い)、B面に納められていたのが同曲のLive音源だった。それはこの音源だったのかしらん?
このアルバムのリリースされた'69年当時は、イギリスのバンドの多くがブルースに影響を受け、それぞれが独自のバンドの音を持っていた時代でした。その中でもこのテンイヤーズアフターは、間違いなくブリティッシュブルースの代表格といえるインパクトのあるサウンドで我々を酔わせてくれました。私はこのアルバム発表当時高校生で、彼らの一大ヒット曲となった「夜明けのない朝」を聴いてぶっとんだ者の一人です。唯一のカバー曲「グッドモーニングリトルスクールガール」でのアルヴィンリーのギターとレオライオンズのベースが繰り広げるエキサイティングな絡みは絶妙であり、なんとも鬼気迫るものがあります。またマディーウォータース風「ストンプ」も聴き所で、レオライオンズ、リックリーの二人は、'02年に私の一押しギタリスト、ヴィンスコンバースと「L.L.C」を組んでジョンリーフッカーのトリヴュートアルバムに参加しており、ちょっとこの曲を思い出しうれしくなりました。アルヴィンリーの早弾きばかりが話題になりますが、もっと4人のテクニックの高さやブルースにインスパイァされたサウンドというものに焦点があてられてもいいのにと思います。本作はブルースロック好きには必携の名盤です。
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