王道系復讐劇の形態を取りながら
「過去の罪」が生んだ亡霊に苦しめられる
人間たちを描いた作品であるという印象を受けました。
ある意味本作は「(許されざる者)に通じる道を
切り開いた作品」であると言えるでしょう。
トイ・ストーリーマニア一家としては外せないトラックでした!!
THE DRIFTERSはTHE DOMINOSで活躍していたCLYDE McPHATTERという稀代の名ヴァーカリストを中心に、1953年に結成されました。 そしてアトランティック・レーベルの看板R&Bヴォーカル・グループとして活躍したTHE DRIFTERSであったが、中心メンバーであったCLYDEがソロに、そして残りのメンバーも塵々になってしまい1958年には解散の危機に瀕してしまうのです。
このとき、グループ名の権利を有していたマネージャーは、世紀のグループ交代劇を画さんました。 古くからニュー・ヨークで活躍していた全くの別グループであったTHE FIVE CROWNSをスカウトし、そのままのメンバーでTHE DRIFTERSを名乗らせたのです。 このときFIVE CROWNSのリードだったBEN E.KINGは才能豊かなシンガーでした。
ORIGINAL DRIFTERS時代からプロデュースを担当していた白人コンビのJERRY LEIBERとMIKE STOLLERは、新生DRIFTERSの楽曲に白人ソング・ライターの作品を積極的に取り上げていくことに。
DOC POMUS-MORT SHUMAN....古くから自ら白人BLUESシンガーとして活躍していたDOC POMUS(彼はJOE TURNERのようなJUMP BLUESを録音した。彼は子供のころにポリオを患っており、松葉杖でマイクの前に立っていた)とMORT SHUMAN...このコンビはELVISにも多くの楽曲を提供、DION&THE BELMONTSの「A TEENAGER IN LOVE」もあまりに有名
BURT BACHARACH-HAL DAVID...説明不要の名ソング・ライター・チーム、1957年にマーティー・ロビンスに提供した「THE STORY OF MY LIFE」を皮切りに、ディオンヌ・ワーウィックで印象的な仕事を披露、その後サントラの分野でも活躍
GERRY GOFFINーCAROLE KING...当時売り出し中だった若きソング・ライター・コンビ。
1962年に発売された本作品には主に以上のソング・ライター・チームの作品が収録されている。アルバムのメイン・タイトルはGOFFIN-KING作の「UP ON THE ROOF」となっており、サブ・タイトルは「THE BEST OF THE DRIFTERS」となっている。サブ・タイトル通り新生DRIFTERSの初期ベストと言える内容となっています。
この後もDRIFTERSは若く才能に溢れたBARRY MANN-CYNTHIA WEILの楽曲(「ON BROADWAY」、「I'LL TAKE YOU HOME」、「SATURDAY NIGHT AT THE MOVIES」などなど)もレコーディングしていくのですが、本盤には残念ながら彼らの楽曲は収録されていません。
こうしてDRIFTERSはパフォーマーは黒人、スタッフは白人という布陣で洗練された、後のCITY SOULとも言えるべきスタイルを確立していくことになります。
GOFFIN-KINNGは当時ブリル・ビルディングにあるアルドン・ミュージックの窓一つの小さな部屋で、たった1台のアップライト・ピアノで日夜ソング・ライティングに励んでいたという。 「UP ON THE ROOF」...屋根の上 そこは世界で一番平和な場所 下に広がる世界は僕を悩ませることはない....この歌詞を見ると、私はひょっとして狭い部屋に閉じこもってひたすら曲を書き続けていた二人が、作業に行き詰って気分転換にと屋上に上がったときに浮かんだのかな?と考えたり...
日本でも越路吹雪が歌って大ヒットしたPOMUS-SHUMAN作の「SAVE THE LAST DANCE FOR ME」...誰と踊っていてもいいから 最後のダンスは僕と踊って欲しい... こんな歌詞のこの曲を書いたのが、病気のために松葉杖に体を預けることを余儀なくされたDOC POMUSだったということを考えたりしてちょっと胸が詰まってしまったり...
などなどと思いを馳せながら、私自身は本盤を楽しませてもらいました。 このように素晴らしい楽曲が多数収められている本盤ではありますが、なにせ結成された1953年から1967年までに29曲ものヒットを放った彼らですので、本盤のみではBEN E.以降の新生DRIFTERSの重要曲でさえ全て網羅できるわけでは残念ながらありません。
ただし名曲揃いの本盤ですので、入門編としてもよし、ほかにも楽しみかたはそれぞれいろいろあると思いますが、とにかく当時と同じフォーマットでリイシューされたこんな素敵なCDが解説、歌詞付でたったの1000円で買えるのは本当に素晴らしい! 是非、たくさんの方に楽しんでいただきたいCDです。
1984年の夏、私はニューヨーク、セントラルパークでそれに出会った。 小さな露天の屋台で売られていたカセットテープの一本として。 ドウ・ワップの古典としてグループの名前くらいは知っていたが、曲はといえば実際聞いたことがない。 きっと、なにがしかの好奇心と2ドルそこそこという値段が手を伸ばさせたのだろう。 歌詞カードも何もなかった。海賊版であったかもしれない。 だが、この出会いは幸福なものであった。 音質こそ時代相当であったが、瑞々しく恋を歌うその曲の数々に私は酔いしれた。 テープの宿命である寿命を迎えるまで。
帰国してのち、別のベストアルバムをCDショップで見つけた。 洗練はされていたし音もよかった。 が、魂を揺さぶるようなあの感覚はなく、落胆した。
しかし今は、あのときのアルバムがCDとしてここにある。 忘れようもないジャケット・デザインとともに。 amazonで再び出会えた幸運に感謝。
そして、我が青春との再会に乾杯。
前作とは全く異なりますが、作者がどんな人間であるのか理解するためにも機上の奇人たちは読んでおきたいです。また、奇人の奇人たちは個人的に5つ星だと思ったので期待しましたが、本棚からまた出して読みたいとは思わないので三星です。
|