ずっと探していた音がありました。今では毎日プレーヤーにかけて聴いています。
聴いていても飽きが来ないですね。
デンマークのミステリー界に確固たる地歩を築く女流作家ブレーデルの人気シリーズ女刑事ルイース・リック初紹介作です。昨年の「特捜部Q」シリーズを皮切りに最近の早川書房は完全にデンマーク押しで秀作が次々に紹介されていますが、今回は初の女流作家が取り上げられたと言う事で興味を惹かれ大いに期待して読みました。 デンマークの首都コペンハーゲンで暴力的なレイプ犯罪が発生し、殺人捜査課所属の女刑事ルイース・リックに捜査が任された。心身共に深く傷ついた被害者女性スサンヌと接し心のケアをしながら聞き取りをした結果、ルイースはインターネットにより獲物を狙う常習レイプ犯の存在を疑い、やがてそれを裏付ける様に第二の痛ましい事件が起きるのだった。 デンマークのミステリーを読んで共通して感じる事はやはり現代社会で起きる犯罪事件を生々しく描くその強烈なリアリティーです。本書でも今まさに犯罪が行われている場面を挿入して、被害者女性の立場に立ったリアルタイムで感じる激しい苦痛の感情をありのままに伝えソシオパス常習レイプ犯の異常性を描き尽くしています。そしてフーダニットの真相としては大きな意外性はありませんが、何処にでもいそうな普通の男性像を人との関係性の面からショッキングに印象づけています。それから本シリーズの人気はやはりヒロインの女刑事ルイース・リックの魅力に負う部分が多いと言って良いでしょう。仕事中毒の気味があり私生活を投げ打ってでも事件捜査に没頭するタフな女性ですが、今回は思わぬ愛情面での破綻を経験して深く傷つき打ちのめされて悲しみに沈み込みます。でもそこからすぐに立ち直り新しい道に踏み出すのが彼女の良さで、上司達からの同情に反発し気丈にも犯罪現場に乗り込んで犯人と対峙し一触即発の緊迫した状況を見事にさばいて見せる活躍が素晴らしいです。けれども彼女が勇ましいだけではなく、動揺と震えを押し隠す心情や繊細で優しい内面を持つ女性である事が読者の共感を呼んでいるのでしょう。女性上司のハイルマンはしっかりした好人物で頼りになりますし、フレミング検屍官との仲が今後どう発展して行くのか気になる所で、また親友女性のカミラは新聞記者で普通は警察とは敵対関係で険悪になりそうに思えますがそうはならずに良好な関係を保っている事が心を静め穏やかな安らぎを感じさせてくれます。 シリーズが今後も紹介されるかどうかはまだ微妙な感じですが、精緻な心理描写が光る堅実な警察小説と魅力的なヒロインの活躍が読める日が再び来る事を祈って今から楽しみに待ちたいと思います。
神Michael Schenkerが脱退し後任にPaul Chapmanが加入、そして“No place to run”を発表した直後の1980年11月にドイツで行ったライブ音源。Keyboard & side guitarもすでにNeil Carterに交替しており、12曲中5曲はメンバー交代後の楽曲となっているが、それでもSchenker時代の名曲が半分以上であり、最初はあまり期待せずに聴いてみたところなかなかどうしてこれがいいのである。 音質自体は名盤“UFO Live”にやや劣るもののかえって個々の楽器の分離が良いように聴こえ、また各音のバランスはそこそこで30年前の音源と思えば充分聴くに耐えうる。年代的にもPhil Moggの声は全盛期のものであり、Pete WayのBassもかなりと弾き捲っている。が、それ以上にニヤリとさせられるのがPaul ChapmanとNeil Carterの出来である。もともと器用でキレもあるChapmanが、往年のSchenkerのメロディラインをうまく活かしながら一味違った曲展開を見せれば、他方で前任者よりエッジの効いたKeyboardとrhythm cuttingをかぶせる(悪く言えば出しゃばる?)Neil Carterが曲全体をうまく引き締めている。特にSchenkerの独壇場であった“Lights Out”や“Rock Bottom”では、名曲の流れ・ノリを妨げることなくそれでいてjazzyな展開をはさむなどSchenker時代との違いをアピールすることで見せ場を作っている。つまりこれらを“UFO Live”のバージョンと聴き比べてみるためにこのCDを買ったとしても、決して損をした気分にはならないのではないか。(特に old fan なら) Schenkerの弾かないUFOは聴くに値しない、と心に決めている方には無理にはお勧めしませんが、Chapman & Carter時代の4作品も嫌いではないよ、という人にはかなりの掘り出し物だと思いますよ、ほんとに。
本書は架空の2020年におけるVF-1の退役を機に、開発経緯から功績までを振り返るという設定の元で書かれています。近年ではF-14の退役の頃に似たような書籍がいくつか出ていましたが、そんな感じでしょうか。
鳥の人事件(マクロスゼロ)やフォールドクォーツ(マクロスF)などの新設定を取り入れつつ、2020年という年代を考慮して抑えめにしている部分は絶妙です。
巻末の部隊カラー&マーキング表はかつてのマクロスプラス (THIS IS ANIMATION SPECIAL)やモデルグラフィックス誌の特集を彷彿させ、プラモデルでカラーバリエーションを揃えたい!という制作意欲をかき立てられます。
こういう「公式設定ではないけれど、いかにもありそうな設定をでっち上げる」遊びは大好きなので5点としたいところだけど、CGがいまいちなのでマイナス1点にしています。
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