お気に入りのオモチャ箱をみせてもらった気がした。今のジョン・フルシアンテが、何に興味を示しどこへ向かおうとしているのかが良く解る。HIP HOPという一見異質とも思える音楽とジョン・フルシアンテの「融合」で起こる化学反応。そして愛。純粋に鳥肌が立つ。戸惑いを覚えている人も多いと思うけど、耳を澄ませば彼らしさ、彼の歌声、美しいメロディーがあちらこちらに散りばめられていることが解るはず。彼はちゃんとここに居て、少年のようなあの笑顔で純粋に音楽を追求しているのだ。彼の選んだこの道を真っ新な心で受け止めたいと思う。
とでも表現すれば良いのだろうか。インタビューでも語っているとおり(日本版にはご丁寧なことにインタビューまで収録されている)商業的な意図がまったく排除された、只の音楽としての音楽が鳴っている。
一緒に歌えたりはしないかもしれない。口ずさむことも難しいかもしれない。然し、音楽をきくということの充足感を満たしてくれる筈だ。
ボリュームは大きめに。
バンド雑誌、スコアを発行している会社だけあってジョンの内面的なものというより音楽面に重点を置いた内容になってます。
作品、機材、レコーディング、音作りなどについて詳しく書かれており 後半の機材紹介、フレーズ作り、音作りの記事はもろにギタリスト向けの内容になってますので 楽器に詳しくない方には難しいかもしれません。。 私はギターの知識はあまりないので後半の文章はパラパラとしか読んでませんが、写真が結構載っているので こういうのを使ってるのか、とかエフェクターすげー程度には楽しめました。
バンド事情についても多少はのっていますが、 そういった事はアンソニーの自伝の方が詳しく書かれていると思います。
そのほかジョンを知るための記事が満載です。 ジョンを好んでコピーされるギタリストには間違いなくオススメできると思います!
2009年発表の「The Empyrean」で頂点を極めた感のあったJohn Frusciante。 ファンならば、Johnの次の一手が気にならない人はいなかったと思いますが、 EP「LETUR-LEFR」、本作「PBX-」で、予想と期待をはるかに上回るものを提示してくれました。
ボーナストラックを除いてたったの37分。 その37分に、実に様々な音楽的アイデアと実験、冒険、そしてメロディが詰め込まれています。 シュレッダーにかけられたかのようなビートに乗って、エレクトニックな楽器の音色がこれも細分されて踊り、 これまでの彼のメイン武器であったギターは、まったく異なるアプローチで鳴らされています。 1曲の中で突如雰囲気が変わる手法は既に前作にも見られましたが(例えば「Dark/Light」など) 今作ではその手法がさらに昇華され、1曲の中で複数のアイデアがシームレスに展開されていきます。
Johnの近年の趣向―R&Bやヒップホップ、もしくはエレクトロニカを始めとする電子音楽への傾倒―は、 ファンにはよく知られていましたが、おそらく、それらをここまで彼の中で消化しきって作品にまとめるとは、 誰も予想していなかったことでしょう。
とりとめなく、独善的に拡がりがちな実験音楽ですが、 Johnのうたごころとでも呼ぶべきセンスが牽引してくれ、導いてくれます。 Johnが提示してくれたこの音の世界を、あなたも探求してみるのはいかがでしょうか。
なお日本盤ボーナストラックのうち、WALLS & DOORSはJohnのオフィシャルブログで無料DLが可能です。 したがって日本盤の目玉は「RATIUG(acapella version)」ということになりますが、 これは「RATIUG」のヴォーカルトラックをぬきだしたものです。 そんなものがわざわざどうしてボーナストラックに収録されているのか、 一度聴いてその美しいハーモニーに触れてみると、理由はすぐに分かることでしょう。
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