この六巻では、恋愛に対して傍観者のような立場だった主人公に彼氏ができます。 それによって無視していた自分の気持ちに気づいてしまうお話です。
言葉にすると何てことはないお話ですが、 いくえみさんの描写でよんでいると 過去の自分の体験も蘇ってきて、主人公・糸真に対して何度も心のなかで「わかるよ!」と叫んでしまいました。
こんな年になったのもあり、少女漫画に共感したのは久しぶりでした。 次巻が楽しみです☆
女の子の幽霊と、亡き友達・峻の幽霊を絡め、 主人公や苑の心に迫っていく物語。 どちらかと言うと大人の読者向けな作品かもしれませんが、 そのぶん性別問わず楽しめる作風と画面だと思います。 作品によってペンタッチを変えるいくえみ先生、ベテランの器用さを感じます。
一巻を読み、苑がヒロインの立ち位置かと思っていたものの、 二巻を読んだ事でその思い込みは崩れました。 傷付き、突き放され、主人公に愛されない苑は少女漫画のヒロインではないものの、 悲しい過去を背負いながらも再生を見出す姿は応援したくなります。 痛いけれど、救いがある。いくえみ作品らしいなと思います。
次巻以降の登場は無さそうなので、 今後は主人公自身の心に迫っていく展開になるんでしょうか。楽しみです。
いくえみさんの作品は、20年以上読んでますが、これは「潔く柔く」と同じくらいに続きが気になる作品だと思います。 現在と過去、生と死を行き来して独特な浮遊感を生み出していて、登場人物たちのセリフやモノローグが織りなすテンポもあいまって、この作者にしか描けない世界があります。 「バラ色の明日」「潔く柔く」「my dear boyfriend(知ってる人いるかなぁ…)」などの、作品がお好きな方にはおすすめです。
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