「顔はかっこいいんだけれど、娘のことではかっこ悪くなってしまう父親」を演じる田村正和と、 「父を愛しながらも、父の元から旅立っていく娘」を演じる小泉今日子。 「父と娘の間に立って、2人の最大の理解者となっている母方の祖母」を演じる白川由美。
3者の掛け合いは正に「等身大の家族」。 妻を亡くした後は一人娘の成長が「生き甲斐」となっている父。 娘はそんな父の「溢れるほどの愛情」を感じながらも、時に鬱陶しく思い、ぶつかる時もある。
初回から最後まで一貫して「娘がいずれ結婚して家を出て行く」という雰囲気が漂う。 初回が二十歳の大学生時の設定で始まって、最終回では25歳・・・それを全10回で、つまり5年を10回に区切ってエピソードを語っていくので、1つのエピソードから時間が半年くらい空く。
展開がとても早いように思えるが・・・「父と娘の関係」が全編を通しての主題なので、元々高校生でも大学生でも社会人でも違和感は感じずに済む。逆に登場人物が絞られている分、父と娘の葛藤や愛情が前面に押し出されていて、心に訴えかける展開。
小泉最大のヒット曲となった主題歌「あなたに会えてよかった」は、他の小泉の曲とは雰囲気が異なるが・・作品のテーマに合致した名曲。 作品自体の価値をも高めた。
最後に登場人物をもう1人・・・夏実に片想いする浜ちゃん演じる「梅ちゃん」。 「報われない愛」と分かっていても、最後まで夏実の味方であり続けた。 そんな彼の「報われない想い」もこの作品が泣ける要素のひとつ。
小泉さんらしく、小泉さんの声きけます。昔聴いていた人もぜひまた聞きなおしてもらいたいです。いろいろな思いがよみがえりめくり舞いますよ。きっと。
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