比屋定篤子、1999年の2作目。
他のアルバムに感じられるワールドミュージックかじりみたいな感覚がこのアルバムからはほとんど感じられなくて好きでした。これは、もう日本のシュガー・ベイブとか大貫妙子の初期にも通じるような普遍的で美しいニュー・ミュージックです。そして、とても夏らしい、夏の切なさをいっぱい詰め込んだ作品だと思います。彼女のちょっと低めのイノセンス溢れる歌声が、それを見事に描ききっている感じです。アレンジも、とてもオーソドックスにきめ細かく上質なものを目指した感じで、何度聴いてもホッとするようなまろやかな音です。 ベスト・トラックはラストの「青い自転車」。最後に一番晴れやかな曲を持ってくるアルバムが僕はとても好きなのですが(例えばサニーデイの「MUGEN」とか)、これもそうで、最後にとてもすっきりとした気分になれます。
偉人伝として読むだけではもったいない、さまざまな示唆に満ちた書。きだみのるのモノをとらえる視点から伝える方法まで、時代を超えても通用する部分を、引用文を巧みに織り込みながら、客観的かつ非常にわかりやすく紹介しています。 歴史、地名、人名など、ここに出てくる固有名詞に関しても、この一冊でたとえば編集者としての素養レベルを確認するための目安ともなりえるほど、多様なジャンルにわたる多くの興味深い事例に満ちています。 これからマスコミを志望する人にも絶対お薦めの本です。
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自由人とは誰のことで、いかにしてそうした姿や存在に歩み寄ることができるのか。多くの人が曖昧で掴みきれないと感じる自分や他者そして社会の中における存在やその意義を、きだみのるが辿った軌跡を追いかけ、言動を記録そして共有することによって、先人の歩んだ道筋に灯明の役割を演じさせたい筆者の想いを感じた。
透過性が高く得難い存在であると私などが感じたきだみのるの心を、本人以外からの発信により異なる側面から窺い知ることのできた本書は、きだみのるの哲学の紹介に大きく寄与していると思う。きだみのると人々の間におけるやり取りなどは、知ろうにも知ることが通常ではなかなかできない訳だが、本書では様々なエピソードが随所に散りばめられている。
きだみのるの心と同じで、澄んだ文面に仕上がっている完成度のとても高い本だと感じた。
この面白さをわかる人には、ものすごく面白いし興味深く、続編がよみたいほど。普遍的作品のひとつと思っている。今までに3冊購入して、知人にすすめたが、面白いと言う人と、全く反応のないひとがいた。作者はファーブル昆虫記を翻訳した人と聞いている。
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