マーラー:交響曲第1番<巨人>(花の章付き)
小澤征爾がボストン交響楽団常任指揮者に就任してから3年ほど経ったときに行なった録音。原典版で<花の章>がついている貴重な1枚。まだ40代の録音でエネルギッシュな演奏に注目!価格を低く抑えて再発売されたのもうれしいですね。
NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray]
ブルーレイレコーダーを購入して初めて購入したブルーレイソフトでした。
DVDとどれだけ音質が違うのかが楽しみで購入しました。
音質より映像の違いに圧倒されました。音質も満足いく内容でした。反対に自分のシステムに不満を感じるぐらいです。
これからもこういったよい内容のクラシックのブルーレイソフトが充実していくとよいかな。
危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)
国際政治の本質を描いた作品。
国際政治の現実主義と理想主義、特に理想主義のある種の偽善性について説得力を持って書いた作品。
国際政治を学ぶ諸氏、特に平和を達成したいと考えている理想主義なあなたに一読をお勧めする。
数度の精読に耐えうる、私の座右の書。
ハート・ファースト
2012年2月11−13日に来日ライブのヘイリー・ロレン。「青い影」(日本題名)にも劣らないできばえのCDです。相変わらずのきれいね発音とジャジーな「こぶし」は色気を感じさせます。高音部への裏声に変化するところは特徴的。日本盤は音楽プレーヤーに同期するときに、ジャケットが出ないのが難点ですが。「いとしのエリー」のカバーもとてもいい。いまや、ジェーン・モンハイトと双璧をなす、女性ジャズボーカリストです。アラスカで生まれ、幼年期にジャズ・シンガーのエッタ・ジョーンズ、ナット・キング・コール、エラ・フィッツジェラルドやカントリー歌手のパッツィー・クラインを好んで聴き、10歳の頃にアラスカの<シトカ・ファイン・アーツ・キャンプ>で歌い喝采を浴びる。多くの少女がポップ・ミュージックに傾倒する11-12歳頃にダイアナ・クラールに深く影響を受ける。13歳の頃にアラスカをからオレゴンに移り、ポップ・ミュージックのアーティストを聴く様になり、シンガー・ソング・ライターのサラ・マクラクラン、アニー・レノックスに影響を受け、旧いジャズの魅力と新しいポップ要素を取り入れた彼女のオリジナル・スタイルの基となる。15歳でプロとして歌い始め、16歳の頃からビルボード・インターナショナル・ジョンレノン・ソング・ライティングなど様々な作曲賞を受賞する。2006年、21歳の時でオリジナル・ソングを纏めたデビュー・アルバムを発表。2008年に発表した『THEY OUGHTA WRITE A SONG 邦題:青い影』が<Just Plain Folks Music Awards 2009>に於いて163カ国から発表された42,000タイトルのインディペント・アルバムの中から<ベスト・ヴォーカル・ジャズ・アルバム>に選ばれています。
来日ライブは、丸の内日本コットンクラブでの「スペシャルボックス」を予約しました。楽しみです。
小澤&ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート2002 [VHS]
今改めて感じるが、ボストン交響楽団と演奏していたころの小澤と比べると、
本当に別人のような演奏だと思う。あの頃の演奏は主にラジオで聞いていたが、
ベートーヴェンの交響曲ですら外的な音響効果を狙ったような演奏が多く、
ここまでアメリカ的にならなくても・・・とずっと思っていた。しかし、ここで
のニューイヤーコンサートは、少なくともそういう表面的な効果を狙っていない。
恐らくサイトウキネン・オーケストラとの経験が良い方向で生かされているのだろう。
その点は、評価すべきだと思う。
私がこのコンサートの演奏を聴いたときは短縮版のCDで、当日の印象と違って
いた。ニューイヤーコンサートを「正しく」楽しむには、フルに入っていて映像も
あるDVDがメディアとしてお勧めだ。ちなみに演奏は、以前自分が記載した
レビューのとおり、内容的に徐々に良くなっていく傾向にある(※だから記載内容
もほぼ以前のレビューのとおり)。
第1部はたまにアンサンブルの縦の線が合っていないところがある。
演奏はフレンドリーで楽しいが、くせのないウィンナ・ワルツを演奏している
ためか、たまに変に強調したりとはみ出し気味な印象も受ける(たまに変な強調
がある点は、C・クライバーの演奏も同じ)。
私がここで注目したいのは、ヨハン・シュトラウス1世の「アンネン・ポルカ」。
この曲は、師匠のカラヤンもニューイヤーコンサートで演奏している。当時の
カラヤンは衰えからか昔のような強い統率力がなくなっていた。しかし、長期間
に及ぶリハーサルのためか、当日の演奏は目立ったアンサンブルの乱れもなく、
ウィーンフィルが自律的にカラヤンに寄り添うような演奏を展開していた。この
「アンネン・ポルカ」もその姿勢が十分に感じる名演奏だった。
それと比べると、ここでのウィーンフィルは、小澤の指揮に従順すぎる印象を
受ける。そのため、ウィンフィルによるウィンナ・ワルツというより、小澤による
ウィンナ・ワルツという印象を持った。フレンドリーで聴衆にウケがいいのは、
小澤の音楽の才能と経験がうまく生かされた結果だと思う。
第2部の冒頭の喜歌劇「こうもり」序曲は、その小澤のやり方がうまくいって
いないと感じる人も多いだろう。カラヤンのニューイヤーコンサートでの演奏と
比較しても、明らかにウィーンフィルのアンサンブルにぎごちない印象をうける。
それは、第2部の1曲目を、敢て師匠のカラヤンと同じ曲で始めたことによる
極度の緊張とか、オペラの経験が不足しているとか色々理由があると思う。
私が気になったのは、この曲ですら、ウィーンフィルに自律的に演奏をつくっている
姿勢があまり感じないことだった。恐らく昔のウィーンフィルであれば、頑として
自分達の音楽を突き通すに違いない。カラヤンはその個性をうまく引き出していた。
ただそれ以降の曲は、第1部と基本的に同じ傾向だが、アンサンブルもよくなり
聴きごたえがあった。結果として、今までのニューイヤーコンサートの中では、
比較的いい出来になっていると思った。
このレビューを始めて記載したときは私の好みのニューイヤーコンサートは、
1954年のクラメンス・クラウスと、1987年のカラヤン、2005年の
マゼールだったが、今回はプレートル(DVD)も加えさせていただきたい。
どれも癖のないウィンナ・ワルツを「そのまま」演奏し、中身の面白さで上手に
聴かせている。なによりウィーンフィルが積極的に音楽をつくっているのが強く
印象に残った。特にマゼールの変化は、正直驚きだった。
ウィンナ・ワルツを演奏する場合、もしくはその演奏を楽しむ場合、念頭に入れて
おかないといけないのは、今この時代にあってなぜ「ウィンナ・ワルツ」なのかと
いう点だ。ただうまいだけの演奏では不十分だと思う。その点、プレートルの
シャレた感じはウィンナ・ワルツはまだまだ博物館で閲覧するような古い音楽じゃない
ことを感じさせてくれた。今後は、こういう演奏が多くなることを期待したいなと思った。