破戒 (新潮文庫)
数年前に関西に転勤して初めて部落問題を身近に感じました。東京に比べ大阪や京都、兵庫ではまだまだ部落的な位置付けのエリアが色濃く残っていますし、日常会話でもそのような話が持ち上がることは少なくありません。
私にとって部落の人々イメージは何となく怖く、恐ろしいものでありましたがこの本を読んで初めてその人々の暗い過去と苦しみが想像以上であったことを知りました。同じ人間として、同じ日本人として、今現在でも言われもない差別を受けている人たちがいることを改めて考える必要があると思いました。中には被差別部落の人たちが政治的な力を使って優遇措置を受けるなど逆差別的な状況もあると聞いていますが、この本を読みその根本にどのような歴史があったかを考えてみることも非常に重要なことではないでしょうか?
破戒 (まんがで読破)
私的ではありますが、「まんがで読破シリーズ」の中でも最も良い作品に仕上がっているのではないでしょうか。
あらためて差別(部落差別)とはどういうことか、と深く考えさせられる一冊です。
作中の登場人物の心理描写が巧みに表現され、また絵コンテも大変親しみやすい。
私は最近までマンガを侮っていました。
なぜならじっくり集中して想像力を存分に働かせながら読む活字本には、達成感の上で敵うわけがないと・・・
否!
気軽に読めるにもかかわらず、短時間で自らを奮い立たせるに至らせたその魂のこもった描写は、
私のマンガに対するイメージを根本から覆させられました。
企画、編集に携わった方々にはつくづく脱帽致しますm(__)m 感謝。
中古落ちを待たずに新品で購入して後悔ありませんです、ハイ。
≪「生きづらい人へ」-憔悴した心を鷲掴みする本の紹介-≫ なるブログを書いてます。
興味のある方よかったらどうぞ覗いてみてください。 プロフのリンクからどうぞ。
Piano Nightly
優しく、切なく、寂しい一枚。だけど、明日もがんばろうって思える。
どうしようもなく落ち込んだとき、車の中でこのアルバムを聴きます。「虹が出たなら」、「愛について」、「恋は桃色」、こんな曲たちに追い打ちをかけられて、そしてどん底から引きあげてもらって、顔を出したところにアッコちゃんのほほえみが待っている、そんなアルバムです。(よくわかんないよね、すみません)
破戒(韓国本) (世界文学全集25)
島崎藤村原作の漫画版。原作は未読です。
信州の田舎の学校で教師を務める主人公は所謂「江戸時代の部落」と呼ばれた地域の出身。
明治に世は移り、「四民平等」の名の下に差別もなくなったはず・・・・だった。
が、そんなものは建前に過ぎず、人々の意識には今尚部落の出身者を差別する心が根強く残っていた。
主人公は同僚の教師たちにも教え子たちにも町の人たちにも自分が部落の出身であることを隠しながら生活していた。
そんな彼が憧れているのが部落出身で差別と戦う「猪子蓮太郎」先生。
本来なら自分も先生のようにありたい。だが、自分の生まれを告白することは郷里の父親からきつく止められていた。
けれど、ひた隠しにしていた自身の出生が主人公を陥れようとする教師一派の耳に入る。
そこから彼も尊敬していた先生の思想を受け継ぐための戦いに身を投じていく決意を固める。
部落というものは江戸時代の「負の遺産」であろう。
「全国水平社」という団体が結成されるのは後の時代。まだ個人で戦うには辛い時代だった。
差別するものは「自らが差別されるのを避けるため、スケープゴートを作りたがる」。
多数派は嫌いなものを共有することで一致団結して「残酷なことに無関心」になる。
時間の流れを以ってしても容易に解決できない「人間の業」だと思います。
シャン・ドゥ・ジャポン~フランス語で歌う日本のうた
スイスの至宝、ブリジット・バレーが歌う日本の歌。フランス語勉強中の方「今宵出船ぞ お名残惜しや」なんて詞がどんなフランス語になっているか知りたくありませんか?叙情あふれる仏語訳、古風な響きのピアノ伴奏、完璧にコントロールされた柔らかな歌声。フランス語と無縁の方にも バレーの美しい歌声は郷愁を誘い、心に染み入ってきます。この一枚に優る日本の歌はありません。