週刊真木よう子 中野の友人 [DVD]
出た!山下監督汁が出まくりの逸品。
極端に台詞が少ないのに、泣かせるあの不思議な世界は
たった30分のドラマにもちゃんと健在。
そして真木よう子は、やっぱり天才的な女優なのだった。
デメキング 完結版
SFと日常、この二つを融合することはなかなか難しいもので。
でも、このデメキングは見事に融合している。
怪獣ものをSFと呼んでいいのかは疑問だけど、この『デメキング』は壮大なSF超大作でありながら、
ある男の日常の話でもある。
その不思議な感覚は、この『デメキング』の独特の魅力だ。
デメキングは、いつやってくるのか?
デメキングは、どこにやってくるのか?
デメキングとは、何者なのか?
蜂屋は、デメキングの未来に起こりうるであろう破壊を阻止しようと奮闘する。
でも、いったい何をしたらいいのか。
固い決意とは裏腹に、何もできないでいる。
そして、本当にデメキングは現れるのか?という疑問。
デメキングの為に、人生を棒に振り、世間では落ちこぼれと呼ばれる存在になってしまっている。
そこまでして、デメキングが現れなかったら?
デメキングなんて、ただの妄想だったら?
蜂屋の日常の中に、その葛藤が垣間見える。
その葛藤が、この作品の要のドラマだと思う。
しかし、完結版と銘打って発売された今作。
その肝心要のドラマをぶち壊すかのようなラストが付け加えられてしまった。
未完であることが、この作品の完成形なのだ。
ラストの落ちが無ければ、星5つにしていたと思う。
デメキング [DVD]
地元で撮影した映画ということで遅ればせながらご紹介。原作漫画がある映画とのことですが、これ怪獣映画です。舞台は1970年瀬戸内の寒村田ノ浦という町で、中2の亀岡ひろしは小学生3人と「田ノ浦探検団」を結成。無為な日々を送る。探検といっても幽霊船さがしごっこのような感じだ。
そんなある日、将来の展望もなく田舎でくすぶっている青年蜂谷浩一とひろしたちは出会う。噂の幽霊船の船倉で出会った蜂谷はここにある鎧兜や刀は「デメキング」を倒す為や、という。デメキングって何?というひろし達は蜂谷にはぐらかされる度にデメキングに関心を寄せていく。
スタンド・バイ・ミーのような夏の冒険を描いたジュブナイルなのか?と思いきや実は蜂谷浩一は誰にも理解されないある秘密をひろし達に打ち明けるというミステリアスな仕掛けが中盤に用意されている。
自分の住んでいる町に怪獣が来て町が蹂躙される。私の個人的に夢のかなった作品。円谷怪獣や東宝怪獣のような自衛隊も大挙迎え撃つという派手な作品でもないし、光の巨人が退治してくれる訳でもない。そういう意味では「LOST」のJ・J・エイブラムスの「クローバーフィールド」に近い作品。なぜなら、最後にひろしは「平成30年なんて自分ら死んでるかもしれない遠い未来や」とこぼす。これはイマジネーション
に問いかけるとても怖い仕掛け。絶望の未来など誰も夢にも思わないというクロージングがデメキングには用意されている。
個人的には、今度統廃合で廃校となる私の母校がフィルムに残ったというだけでありがたいなぁと思いました。ただね、ゴーガというウルトラQに出てきたやつを知る古いファンには、ちょっと嬉しいかな。
引き潮 (ビームコミックス)
海に浮き輪を抱えて勇んで来た人が、遥か沖にまで波が後退していたのを目撃したような取り残された感というか、でもそこから動くことも出来ないもどかしさとか徒労感がいましろワールドなのかなと思います。眼が悪くなって短篇しか描けないらしいですが、今度は長篇を読みたいです。