「小児科医は風邪の種類で季節を感じる」という言葉があります。 まさしくその通りで、冬のインフルエンザに始まり、春の鼻風邪(ライノウイルス)、夏風邪(エンテロウイルス、アデノウイルス)、秋の鼻風邪(ライノウイルス)、晩秋のRSウイルス・・・とすぐに頭に浮かんできます。 この本は今まで無かった斬新な視点で感染症を捉えた好書です。 各感染症で話題になっていることを取り上げ、解説しており、興味深く読ませていただきました。 ただ、各項目の執筆担当医師が自由に書いているので、ある項目では疫学がフォーカスされ、ある項目では検査法が詳述され、とちょっとバランスが取れていない印象もあります。 辞書的に使うというより、読み物として近年の感染症学の成果・知識をアップデート用として捉えるのがよいと思われます。医学雑誌の特集・特大号〜臨時増刊と云ったところでしょうか。 旬のものなので、お早めにお召し上がり(お読み)ください。
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