これ一冊で、梶井基次郎の代表作はほぼ網羅できます。 梶井基次郎の世界は、統合失調的な固執性のある妄想が特徴だ。 数行読んで、世界観にハマれない人はそれ以上読んでも無意味だろう。 かの有名な、「桜の樹の下には」もこれに収録されている。 「桜の樹の下には屍体が埋まっている。」 何処かで聞いたことのある言葉は、ここから始まっている。 梶井基次郎の作品は、非常にヴィジュアルに訴えかけてくるものが多い。 桜の樹の下に埋まる屍体、たくさんの本の上の檸檬、 夜の海辺の砂浜に映る影。 様々なイメージが強く心に焼き付いてくる。 これほど、シュールリアリズムな映像を表現する作家は、他にないだろう。
別に花が特に好きな訳ではない。
唯、酒を飲みはじめて解った。
櫻の美しさは異常だ、 異常すぎる。
この作品を読んで 自分も心、和やかになった。
梶井基次郎といったら言わずと知れた有名な作家。「檸檬」はその代表作。「檸檬」と書くより「レモン」と表現したいほど新しい感覚だと改めて思った。「檸檬」をレモンと読むことを知らない若い人に読んで欲しい。
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