なんだろう・・・冒頭のリアリティのある日常描写に惹かれて、ページをめくる手がとまらなくなった。
現代の若者は25才くらいまでモラトリアム期間が続くのだという。もちろん私もその一人。 日々、当たり前のように仕事に出かけているが、一方で歌手や役者や、そういう夢を追いかけ続けている友達もいる。仕事が辛いときや投げ出したいときは、そう、芽衣子のように、ふとしたきっかけでそちら側へドロップ・アウトしたくなる時だってある。そんなことは珍しくもなんとも無く、きっと、ありふれた出来事。 「そちら側」という言葉を使ったけど、きっと本質は同じなんだと思う。不満を持ちながら社会に出て仕事をする、不安に押しつぶされそうになりながら夢を追いかける・・・どちらも、同じくらい苦しいし、こわい。
愛しい人が居たならそれはなおさらだろう。
芽衣子と種田はモラトリアムな若者の等身大の姿だ。だって、すごく共感するもの。 種田が言ってほしい言葉を言ってくれたとき。私も芽衣子と同じように涙が出そうになった。 長く付き合った二人のぬるま湯のような依存や猜疑心や微妙なズレさえ、浅野いにおさんは丹念に、まるで映画に撮るみたいに、忠実に描き出していく。同じような状況を経験したことがある人なら、共感しないわけはない。
このまんがには、20歳以上の、社会にほっぽり出されたくせに、いまだに自らの位置を見出せず、進むべき方向も見つからず、ただ愛している人やものはある、そんな世代の心を決定的につかむものがある。 読めばきっと、「痛いくらいのせつなさ」を感じて、しばらくボーっとなってしまう。
本当にステキなまんがでした。ありがとう。
過去の作品のような「いにお節」全開とまでは至っていない。 というか生々しい感じが強すぎて、評価は分かれそう。 まぁ今の子のREALはもっと生々しいんだろうけど。
ただしまだ1巻なので(いつ2巻でるのかおそらく年単位)、 これからの展開に期待をしつついるところ。
しかし何回も反芻(復読)したいと思わせないのが… ☆が少ない理由です。
音楽を作っていこう、音楽でやっていこう、という若いケンヤくんの心意気がつまった一枚だと思いました。
この作品は水色? 透明?
全体的に刺激とかなくてゆるいです。
それなのに種田とめいこのそのゆるい日常が、2人がものすごく愛おしい。
そう感じました。
二度と帰らない種田を夢で見る回想シーン、
めいこが種田と過去の自分にさよならさよならと必死に叫ぶように歌っているシーンは胸がしめつけられます。
また宮崎さんの化粧や服装、アパートの様子も自然の逆光で生活感がナチュラルに出ていて現実的で良かったです。
終わってエンディングのムスタングが流れたとき歌詞とメロディーに、いきなり切なさが痛くて叫びたくなりました。 ぴったりでした。
このソラニンという映画はジャンルがない。唯一無二なんじゃないかな。
原作をまったく読まないまま、観てみました。
商品説明からもわかるように、よくあるような話です。 だけど、それをこんな素晴らしい作品にしているのは 主演の宮崎あおいさんはじめ、出演者の皆さんの力によるものだと思います。 演技っぽくなく、とても自然で、引き込まれました。
宮崎あおいさんの歌声は初めて聞きましたが いわゆる「上手い」という歌ではないですが 気持ちのこもった、一生懸命さの伝わる素晴らしい歌でした。
『この人さえいれば生きていける』というくらい大切な人を失ったり 仕事が上手くいかなかったり、やりたいことが見つからなかったり やりたいことができなかったり、そんな人生でも いざというとき支えてくれる仲間がいれば 大抵のことはなんとかなるもんですね。
自分も頑張ろう、と思いました。
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