このシリーズは何となく退屈しのぎで纏めて買ったのですが〜とんでもない掘り出し物でした! 三冊の間が、いや各話其々の間がかなり空いているようで〜絵の線が段々硬くなっているのが少々残念なのですが、時の変遷はどの作家でも宿命なので仕方ありませんね。。。 昇と勇気、二人の立場が其々の話で替わって描出されたりしてますが… どのエピソードも淡々と日常の暮らしの中です。しかし二人の心の琴線が漏れでてくる… 凄い濃い話はないのですが、「三の橋」の絵なんかもう〜勇気のちょっとした作業のこだわりが、そのよれよれの古い絵の事情を解き明かしてゆく…何とも余韻が静かに響いてゆくのです。 依田さんの絵は可愛い顔してるし、背景も書き込まれている訳ではありませんが…作者の心の豊かさ、展開の広さが、この三部作には滲み出ていて読後感がとても残響未だ止まず〜っていうとこです。 地味な活動に思えますが、出来ればこのシリーズ、これからも二人の生き方を書き続けて欲しいです! それにしてもこの「千の花」、最後のが手に出来て良かった…です!
この作家の全てが傑作ではありません。ご注意。 あなたもBLを買った事があるのなら、ご存知でしょう。このジャンル、罠(はずれ)だらけ。あちこち読んだ結果、人に勧めるならこれ、と胸を張っていえるBLは、これ。血反吐を吐くようなハズレ生活を乗り越えて、あんな簡単に名作紹介してもらってありがたく思いなさいよ!と心の声が止まらない一冊です。
やっぱり依田さんのお話は、軽く読めるのにどっしり感があって、 お得感満載です。2人が愛しい。昇の目が見えなくなって勇気がかいがいしく、 さりげなく気を使う。包容力まで見られる。浮気ばっかりしてたのに大人になったなあ。 大人でしっかりしていて現実的な昇の過去のトラウマは(ちょっと衝撃的で切なかった) 勇気のことに関しては頼りなく自分の感情をもてあましてしまう昇だからこそ、 起こったことなのだと思います。マズイと思いつつ危険に流されちゃった昇の気持ち分るなあ・・・(哀) そして本当はとても繊細なのに、逞しく生きて行く為に図太くしなやかに物事を処理しようとする昇の 処世術が仇となって変調をきたしてしまったのでは・・・ それほど大事件が起こる訳でもないけれど、コミカルでいて静かに美しくお話が進みます。 むかついた腹いせに勇気の靴を庭の向こうに蹴るとか、個展に出す皿を割ってしまって隠しちゃうとか、 意外な昇のお子ちゃまっぷりが面白かったです。 2刊で完結だと思っていたので、続編が出て嬉しかったです。1、2巻とも電子書籍で買ったのですが、 やっぱり本になっているものが欲しくて、今回1,2巻合わせて買ってしまいました。それほど依田さんの漫画は 魅力的です。
全編にわたって綴られる歌詞、歌唱、メロディは力感ときらめきと、そして時に切なく響いてきます。パワフルでありながらも、女性ロック系歌手にありがちなヒステリックさがない、素朴ささえ感じる伸びやかな、唯一無二とも言える声に魅了されます。僕にとってはすべてがもう『好き』といえる“どストライク”なアーティストだったのに、3枚のアルバムを残して表舞台から消えてしまったのは残念で仕方ないです。なぜこの人が、この才能がもっと認められなかったのかが不思議でなりません。個人的には5や6が鳥肌モノ!名曲『満月』のエンディングは圧巻です。
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