クラフトワークというグループは、常に時代の先を行くポップなアルバムを製作してきた。 そのせいで彼らはそのオリジナリティーだけでなく、技術的な意味においても「最先端」を要求されることになる。 このアルバムは、急速な勢いで進歩するコンピューターを、生身の人間が完全に制御するという事の困難さを浮き彫りにしていると思う。この事は、その後サンプリングという音作りの手法がもてはやされたのとも無関係ではあるまい。 『サンプラーとシンセサイザーの融合』などという謳い文句で彼らに最先端を求めなくとも良くなった21世紀。今なら、彼らのオリジナリティーを存分に感じられるこのアルバムを、減点法でなく加点法で評価できるのではないかと思う。 彼らの音楽が好きな人であれば、きっとこのアルバムを気に入るだろう。製作された時代が比較的新しい事もあり、彼らのアルバムの中で一番聴きやすいアルバムだと思う。
パリに生まれた女性作曲家メラニー・ボニスあるいはボニ(1858−1937)は、メル=ボニ名義で生前は多くの作品を発表しながら、典型的な“忘れ去られた作曲家”。フランクの勧めで入学したパリ音楽院ではドビュッシーやピエルネの同窓生であった彼女の作風は、ひとくちにいって、おしゃれでセンスのよさが光るもの。300ほどある作品の中でも特に魅力的といわれているのが管楽器のための作品。このアルバムでは世界初録音を含むフルートつきのものが集められています。
・組曲Op.59(1903)〜Fl,Vn&P(*) ・アンダンテとアレグロOp.133(1929)〜Fl&P ・ヴォー地方の調べOp.108(1914−1918)〜Fl&P ・七重奏幻想曲あるいは協奏曲Op.72(1910/1927)〜P,2Fl,2Vn,Va&Vc(*) ・森の情景Op.123(1927/1928)〜Fl,Hrn&P(*) ・古風な形式の組曲Op.127-1(1928)〜Fl,Vn,Va,&P(*) ・小品Op.189(ca.1900)〜Fl&P ・ささやく笛Op.121(1925/1926)〜Fl&P ・スケルツォ・フィナーレOp.187遺作〜Fl&P(*)
|