斉藤由貴主演で映画にもなった作品なので、「雪の断章」というタイトルを
耳にしたことがある方は多いかもしれません。
30年前の作品を新装版にて復刊したというものですので、多少時代を感じさせる
部分もありますが、心に訴えかけてくる物語でした。
孤児院で育ち、とある家に引き取られた少女・飛鳥。しかし、家族から冷酷な
扱いを受け、奴隷のように働かされる。理不尽な仕打ちと耐え忍ぶだけの日々
にピリオドを打つために、幼い飛鳥は家を飛び出した。
札幌の大通り公園で、行き場を失った飛鳥を救いだしてくれたのは青年・祐也。
飛鳥は祐也のもとで育てられ、やがて育ての親である祐也に対して恋心を抱き
はじめる。しかし、悲惨な殺人事件が起きたことから、穏やかな暮らしは一転。
2人の運命は動きはじめる。
育ての親への恋、殺人事件、人間の愛憎劇といった要素だけをみると非常に
ドラマティックですが、それだけではないのがこの作品。
少女の頑なな部分と繊細さ、そして魂の気高さが美しくリズミカルな文章で
綴られており、人間心理の複雑さも巧妙に描かれています。
登場人物たちの苦しく切ない心情が自分の中に入り込んできて、時間を忘れて
一気読みしてしまいました。
恋愛の要素は大きいですが、殺人事件の謎解きもあるので、ミステリ好きの人
にも愉しめる内容だと思いました。
読書好きの人には、文句なしのオススメ。
胸が締め付けられるような感動を味わえる作品です。
権利の関係からかいっこうに観ることができません。相米監督の傑作の一つだと思います。特に最初のシーンの、そこだけで既に一つの舞台のような長回しとそれが終わった後の切り替えでびっくりさせるところ(『セーラー服と機関銃』の最初で薬師丸ひろ子がブリッジしているシーンと同じくらいふいを突かれる)。もう一度観てみたいです。
権利の関係からかいっこうに観ることができません。相米監督の傑作の一つだと思います。特に最初のシーンの、そこだけで既に一つの舞台のような長回しとそれが終わった後の切り替えでびっくりさせるところ(『セーラー服と機関銃』の最初で薬師丸ひろ子がブリッジしているシーンと同じくらいふいを突かれる)。もう一度観てみたいです。
初めて佐々木丸美さんの本を読んだのが、中学2年の時でした。 多感だった少女時代に読んだから、影響された部分も多いです。 全部読みたくて、市内の図書館をめぐり歩きました(1つの図書館に全部揃ってなかったたので) 本に出てくる内容を理解したくて、哲学・美術・心理学などのコーナーに中学生が背伸びして通ってた事もありました。
懐かしくて思い出いっぱいの本なんですが、大人になってから初めて読む人はどうでしょう? 特に男性にはツライかもしれません。 今思うと、昼メロの要素たっぷりの少女小説のような気もします。 (端的な言い方をすれば・・です。もちろんそれだけではない物を私は受けましたが)
感性があえば、どんどん引きづり込まれる世界ですが、合わなければ、無理な世界だと思います。
ご本人が亡くなられてからの復刊だったんですね。 最後まで、新刊を期待してたので残念です。
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