舞台となる時代が高度成長期だけに、若者が怖いもの知らずの豪快さを持っています。お金が入れば、どんどん使うし、女の夢は素敵な人のお嫁さんになること! 今では考えられない平和さに満ちています。今の中国に似てるかな。
この時代に生まれたかったと思わされる映画です。
東宝が1956年(生和31年)から1970年(生和45年)までに製作した喜劇映画のシリーズ。 その33本の中でも、22本を撮った松林宗恵が自らのベストというのがこの『社長道中記』である。 美人マッサージ嬢と、男の按摩が入れ替わるギャグ、 碁盤の上で将棋をやるギャグ、私は2回、声をあげて笑った。 映画で声を上げて笑うのはそうあることではない。 喜劇人として最も腕があるのは、主演の森繁久彌ではなく 大阪支社長役の三木のり平であることもよくわかる。
かなり新刊と変わらない状態で,安く購入できて大変満足しています.
ストーリーだけで観たらアホらしくなるような、善人悪人のきっぱり別れた人物描写と嘘くさいプロット。アイドル映画との評もあったけど、まさしく粗悪なアイドル映画にありがちな内容だ。「シンデレラ」の継子いじめや「赤毛のアン」「家なき子」の孤児状態、「母を訪ねて」の母恋いなどを模した東京バージョンで、主人公はいじめられてもいじめられても、ありえないほどどこまでも清く可憐でまっすぐで屈託のない娘。でもなぜかなぜか、20代の若尾文子の健康的でまぶしい美しさが作品に説得力を与え、すがすがしい仕上がりになっている。やはり美というものは何者をも肯定させる威力というものがある。 チョイ役で田宮二郎が出ていたり、引き回し役がミヤコ蝶々のお手伝いさん役だったり。そのまた合いの手が弟子で夫(だった)魚屋役の南都雄二だったりと主要脇役以外にも見どころはたっぷり。50年代の銀座・青山・東中野・東京駅の風景も見逃せないし、「日東工業(ヒロインの相手役の会社)」や「(甘い物は)みはし」というセリフ、やたらと出てくるチェリオかファンタ風の身体に悪そうなアメリカ風のビンジュースなど、当時流行していて現代風の演出の一環なのかどうか不明だが、いわゆるタイアップだったのでは? 日本が一生懸命アメリカのリッチぶりを模倣していたようすが、映像から手に取るようにわかるのも一興。娘たち、特にヒロインのファッションは「ローマの休日」のヘップバーン風で白いブラウスにひるがえるギャザースカートがカワイイ。義母にあたる沢村貞子が着てる奥様ファッションもかなりいけてる(ときどきシュミーズ見えてるけど)。キッチンにはホーロー鍋とジューサーミキサー。音楽にふける異母兄、予告で「カリプソ娘(って何だ? 不良娘は当時カリプソ聞いてたのか?)」と紹介される異母姉など、当時の風俗もかなり楽しめる。
タイトルの通りあまり堅い感じの内容ではなくてとても読みやすかった!!
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