泉谷しげると古井戸の加奈崎芳太郎がそれぞれのHPで綴っていた清志郎の思い出(いや歴史か)を加筆の上、完成させたといったところか。少々お値段も張って、最近よくあるお手軽な本の作り方のようにも見えるが、お二人の自発的な執筆では遅々として話が先に進まず、こうでもしないと後に残らないのかも。ともあれ、フォーク?時代の天才清志郎登場の衝撃と、もう一人の天才チャボとの蜜月の始まりが、共に魅せられ、かつ、ツンデレされた2人の視点から確かめ合うように語られ、メディアなんかてんで注目していなかったロック前の初期の清志郎の記録としては大変貴重である。そして、その時期のアルバムより1000倍素晴らしいというライブを観ていないくやしさがこみ上げてくるのであった。どこかに音源ないのかね。
加奈崎芳太郎のアルバムは現在までにかなり多くのものがでているが、これこそが最高傑作だと思います。後年にでたものとはは歌唱法が大きくことなっていて、のびやかな彼らしいゆったりしたボーカルを過不足のないバック演奏とともに味わえます。時はRCサクセション全盛の82,3年。後追いで(古井戸の解散ライブがレコード店の注文でようやく手に入ったが、そのほかのオリジナルアルバムはすでに廃盤。という現在から比べると、考えられない、不遇な時期だった。もちろんこのアルバム自体も注文で入手。)古井戸の音楽にふれた私は、チャボこと仲井戸麗市参加のB面1,2をききながら、古井戸が解散していなかったら、こんなかんじだったんだろうなあと非常に感動したものでした。B2のラストチャンスは仲井戸麗市のオリジナルで、ポップでメロディアスな佳曲。B1は古井戸のラストアルバムで仲井戸がボーカルをとった曲の再演で、加奈崎のこちらと聴き比べができたら面白いはず。もう25年以上も前のアルバムになりますが、今聞いても古臭いかんじはないと思います。今年、還暦を迎えた加奈崎芳太郎はニューアルバムを発表して、ますます精力的に活動中、新しく彼のファンになった人にも、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
圧倒的な歌唱力は健在で、大人の成熟したアルバムになってます。
本人の音楽性は巷の売れるような音楽では決してないのですが、心の叫びであったり、人間としての当たり前の感情を歌ったもののように感じます。
個人的にはOLD50、ジャパニーズウェディングソング、アルパイングロウなどがお気に入りです。
音質も良好です(^^)
ライブで、ウーマン、天然の進化などを聞き、このアルバムを購入。恐ろしい。恐ろしいほど研ぎ澄まされた感性。割り箸で割り箸の袋を気合で切るなんて技があるが、あれなど簡単にやってしまうだろう。その真っ直ぐな眼差しと声に、「殺されそう」になるが、それはちゃんとわかってくる。「お前を死なせしない」という真剣さ。「俺を死なせはしない」という真剣さ。旅芸人を続ける加奈崎氏の人生の道程、聞けばわかる。夜に聞くと、鋭すぎて眠れないほどだ。個人的にはこのCDには入ってないが「最後の誘惑」が最高である。殺意を持ったアーティスト、それが加奈崎芳太郎である。
|