壊れたと思い,1週間放置していたわがMAC愛機が復活した。
駄目だろうなと諦めつつ再試行したOSディスク立ち上げが成功し,しかもコンテンツも失われずに残っていた。 人生,たまにはよいこともある。
試しに500円で買ったDVD「禁じられた遊び」(ルネ・クレマン監督)を流している。 ホームセンターなどで売っているコピーライツ切れのDVDは安いのであまり文句は言えないが,音にも映像にもだいぶノイズが混じっている。 ヒッチコックの500円シリーズの保存状態はわりとよかったが,この1951年のフランス名画は,今二つか三つくらい。
哀愁あふれるナルシソ・イエペソのギターの旋律がたどたどしく割れている。 もっともそのためにかえって,ノイズィな画面とともに,戦火に荒れた村を記録したルポフィルムのような臨場感を醸すという副効果が生じている。
ミッシェルはどこで聖書の祈りを聞き覚えたのだろうか。 墓を作るという子どもの行為はいったい, ただの遊びなのか, 看過ごされた子どもが心のざわめきを鎮めるために 誰に教わることもなく自ら習い覚えた,やむにやまれぬ聖なる儀式か。
死が日常であった時代。 死と生の境い目が曖昧に,切れ目なくつながっていた日々。 想像することは難しいが,人は相当に酷い環境にも馴れていく適応力を持っている。 感情を鈍らせ,狡猾さと偽りを恃みにして,生き残ろうとする。
しかし狡猾さや欺瞞や取引はあくまで方法であって,生き残らせる原動力は, たぶん,わが身をかけて守ろうとする何ものかの存在だ。 極限状況の中でこそ,われわれは自分のためだけには生きられないことを知らされる− 画面に白い線が何度も横切る古ぼけたフィルムを久しぶりに見てそう感じた。
80分のDVDが終わるまで,わがPCは動き続けた。ほんとうに復活,かな? 禁じられた遊び [DVD] FRT-098
さまざまな聴き方ができます。BGMとして使えるし、ようく耳を澄まして聴く価値もあります。 クラシックギターファンでなくても、クラシック音楽ファンなら所有していて当然の一枚です。値段も手ごろです。
フランス語の勉強のために買ったDVD。子供が主役なので仏語がわかりやすく、仏語勉強用としても役に立つのではないかと思う。
舞台は1940年フランス。ある一家が、ナチスドイツ軍によるフランス侵攻から疎開するシーンから始まる。
主人公の少女ポーレットは、疎開途中に、ナチス空軍による機銃掃射によって、両親と愛犬を亡くしてしまう。両親を亡くしたポーレットは、死んだ犬を抱きかかえながら、放浪をしていたところ、逃げた牛を追っているところのミシェルと出会う。そして、ポーレットは、ミシェルの家庭にかくまわれることになる。
まだ、五歳という若さのためか、「死」というものを上手く理解することの出来ない少女ポーレット。そして、敬虔なキリスト教徒で11歳の少年ミシェル。二人は時間の経過と共に、徐々に親密さを増して行く。そして、ミシェルがポーレットに死者の弔い方を教えたことから、二人は、ある「遊び」を始め出す。。。
この映画は、反戦映画と捉えられることが多いが、それだけでは捉えきることの出来ない奥深さがある。仮に、ポーレットの両親がドイツ軍の機銃掃射によって死なずに何か他の方法で死んだとしても、この映画のthemeは、伝わると思う。
良い映画だと思う。
亡くなって10年以上経過しましたかね、イエペスは可也来日しました。彼はNHKのインタビューで「禁じられた遊び」は私が作曲して母に贈ったものだ、と断言していたが一般的には現在でも「古い民謡」としか認知されていない。しかし乍らこの曲のお陰でどれだけギター人口が増えたことか計り知れない。名画禁じられた遊びは古いカタロニア民謡やラモーの二つのメヌエット、ド・ヴィゼーの組曲二短調から抜粋などを加え、セゴビアの助言も聞きながら完成し、世界中にイエペスの名を轟かせた訳ですね。このディスクには「おはこ」の名品ばかり、特にサンスのスペイン組曲は彼が良く取り上げる曲で生粋のスペイン音楽家と感じさせる一面だと思います。
ギターもすぐには上達しません。時間をかけて練習するだけです。
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