70年代では最高傑作だと思います。暗いふられ歌のイメージが強かったころですがこのアルバムには応援ソングが多いです。元気がないときに聴くとパワーをもらえることでしょう。楽曲レベルもそれまでの作品より成長していると思います。紙ジャケはみんなが言っているようにお粗末です。紙ジャケとはLP盤を忠実に再現するとともにリマスターでクリアな音にして発売することに意味があるのに、帯もないしリマスターもないし紙ジャケの質もかなり安っぽい。ヤマハも無駄な仕事してるなと思わせられますが作品は名盤です。
野沢尚さんのファンでした。 「親愛なる者へ」は柳葉敏郎、浅野裕子さん主演のドラマでしたが、 これはそのシナリオとなっています。 中には凪子、望の写真なども入っていますので 当時このドラマを見ていた方はとても懐かしく感じられるのでは ないでしょうか? 「夫婦の恋愛とは?」また「夫婦に恋愛は必要なのか?」 をテーマにした作品。 野沢さんはこのような夫婦をテーマにした作品をいくつか 残されましたが、自分はこの作品が一番好きでした。 ラストシーンは本当に素敵でした。 野沢さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
目をさませ 早く 甘い夢から うまい話には 裏がある 目をさませ 早く 甘い夢から 溺れているのはおまえだけ (片想)
目を覚ませ、もっと現実を見ろ、大人になれとのたまう現実主義者は嫌いだが、 この頃の中島みゆきの歌には、自分を批評する言葉があふれている。
笑っているけど みんな本当に幸せで 笑いながら 町の中あるいてゆくんだろうかね (タクシードライバー)
十四や十五の 娘でもあるまいに 繰り返す嘘が なぜみぬけないの (信じ難いもの)
人形みたいでもいいよな 笑える奴はいいよな みんないいことしてやがんのにな いいことしてやがんのにな (狼になりたい)
自信のないものは自分も他人も批評することはできない。ことばに自分が負けてしまうから。 1980年の谷川俊太郎との対談で彼女はこんなことを語っている。
中島: ・・・・たとえば、誰かがうんとあたしのことを思ってくれるとするでしょう。 でも、どんなに思ってくれたとしても、それ以上にあたしを思う人が必ずいるわけ。 それはあたし自身なの。あたしがあたしを一番好きなの。 (中略) 谷川: ・・・・そんなに自分が好きなの? 中島: 好きよ。すごく好き。 谷川: 自分の嫌なところなんか、ないの? 中島: いっぱいあるけど、全部ひっくるめてすごく好き。
中途半端に好きなら自分に酔うこともできるだろうが、自分を好きすぎるみゆきは、自分に挑んでしまうのだ。 ふられ歌を泣きながら歌っているように聞こえるときでも、彼女は歌う自分に酔っていない。たぶんそれははずかしいのだろう。
街のなかから、ラジオから、テレビから、流れてくるいまの若い人たちの歌は聞いていてはずかしい。 夢をすてるなだの、自分にあまえるなだの、大声でわめいて、迷える子羊ちゃんたちは感動して泣いたりしている。 ぼくは、こんなふうにささやきたくなるのだ。 あなたたち、もっと自分を鍛えないと、うまい詐欺師にいっぺんにだまされますよ。 めをさませ。
やる気が欲しい人はこのCDを聴くといい。やる気が出てくるから。 ただし、追い立てられるような形で。 尻を叩かれないとやる気がでない人、にはこのCDはおすすめだ。 がんばらなきゃがんばらなきゃがんばらなきゃという心の中の声を 大きくするのにこのCDは向いているのだ。「座り込むにはまだ早い」と。 ただし、もう崖っぷちに追い詰められている人は聴いてはだめだ。 「死んでも春の服を着る」のは時には大事かもしれないが、本当に 死んでしまっては意味が無い。あなたがするべきことは仕事を休むこと、 転職を検討すること、その他もろもろ。このCDの恐ろしいところは そんな人間すら死に物狂いで頑張らせてしまうことにある。いくら 素晴らしい音楽であっても、聴くべき時をえらびたい。
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