主人が使う為に買いました。老人医療証や診察カードが丁度収まると言って喜んでいました。
著者は朝日新聞の記者であるがこの本は新聞の中立的報道という原点を重視しつつ公的年金制度の持つ心や意義を本格的に解説している。公的年金制度は破綻すると叫ばれる方々が多々おられるが、今や公的年金のない老後生活など考えられない。やはりどうすれば公的年金制度は維持していけるのかという議論がなされるべきだと思う。 また本書は公的年金を真正面から捉えるとともに感心するほど核心的なイラストも駆使して専門書並みの内容を極めてわかりやすく解説している。 公的年金は民間の終身個人年金とは異なり、終身にわたりその時点での経済水準に見合った年金給付が受けられるというものであり、決して損得勘定などでその価値が評価できるものではなかろう。さらに、厚生年金は終身個人年金が持つ保険機能に加え所得再分配機能もある。定額給付に所得に見合った傾斜が設けられた見事な設計だと思う。本書では狩の例を用いてわかりやすく説明している。社会保険制度で所得再分配を行うべきではないとの意見の識者が多いがどういう観点からの演繹なのだろうか。 現在、受給資格期間を25年から10年に短縮すべきとの主張がきかれるが、国民年金の40年間加入は法律上の義務である以上、修正すべきは受給資格期間の短縮ではなく保険料免除基準の緩和ではなかろうか。それとも、国民年金を任意加入制度にしようとでもいう提言なのだろうか。 積立金はその2/3程度が国内保有の国債であるという事実を考えると積立金とは言うものの結局は将来期待される税収入のことに過ぎず国家財政という観点から見れば、公的年金制度とは、その年の生産をその年の国民に分配しているだけだと思う。これは本書が一貫してベースとしている観点だと感じる。海外投資で年金財政を豊かにすべきとの声がきかれるが本当に益をもたらすことになるのだろうか。 デフレ下でも財政安定な公的年金制度であるべきとの意見があるが、克服すべきなのはデフレの方であり会社は労働分配率を高めるべきだと思う。やはり、人がいてこその会社であるし、会社は己の社会的存在をよく自覚すべきだと思う。 識者の多くが厚生年金を非正規雇用者にまで適用拡大すべきと言われるが、短時間パート全員を対象にしたのでは、結局、この議論の行き着く先は1・2階の完全分離か基礎年金の生活保護化であろう。上記とも関連するが、会社が労働分配率を高め社員を正規化するなかで解決していくべき課題であると思う。 また、現在、公的年金のスウェーデン方式化が標榜されているが、スウェーデンが現在の年金形態となった経緯を考えずに我が国の実態に合うように数値だけを云々する議論の進め方は奇異に感じる。なぜ、まずスウェーデン方式ありきなのだろうか。 本書を読んで以上のような感想をいだいた。読みやすいのに非常に密度の濃い内容になっているのは著者がよく公的年金制度を理解しているからだと思う。是非ご一読をおすすめしたい。
社会保険・年金と一言で言ってもその内訳はとても多様で、 給料から強制的に徴収されますが、一般的に制度を体系的に学ぶことはないです。 だいたいは先輩や親族に教わっていくことになることになるのかなと思います。 自発的に知ろうとしなければ誰からも教えてはもらえない知識です。
納付漏れがあると請求されるけど、受給資格があっても申請(請求)をしないと その恩恵を受けられません。最低限損をしないような知識は身につけたいですね。
個性的なキャラクター達の笑いを交えつつ、人情ドラマのようなストーリーを展開 して親しみやすく知識を得ることが出来ます。 少し興味を持ったので知りたい、自分で把握したりニュースで概要を掴むための 基礎知識を得るのにとてもいいと思います。そういう狙いで作られているようです。 大変わかりやすいです。
長年、薄手のカード・免許証入れを探索、ようやくめぐりあえました。後ろポケットに入れてもカサバラズ大満足しています。
内容を検討するために図書館で借りてきました。
「なぜそうなるのか」を明快に文章で解説した上で、 必要最低限のイラストを挿入しているので、非常に理解しやすいです。
図書館に返す前に、すぐに購入を決めました。
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