細菌兵器に感染した若者がヨーロッパ横断特急にのり、 他の客員にも感染していく映画。 軍事機密を守るため、現在つかわれていない橋を走らせて 全員を死亡させようとする。 内容的には、現在では新鮮なものではないです。 ソフィア・ローレンなど名優が複数でてくる。 当時としてはかなりの話題作品です。
列車の中で未知の強力な伝染病が発生。列車と全乗客は強制的に完全隔離され、乗客たちは死を覚悟する・・・。昨今の炭疽菌や狂牛病の騒ぎを目の当たりにすると、たんなる絵空事とも思えません。明るさはあまりないですが、よく出来た映画だと思います。
『カプリコン・1』 や『アンドロメダ・・・』 といった、60〜70年代のSF映画だったりパニック映画だったりは、管理社会や陰謀が渦巻くであろう近未来へ、はっきりと懸念を示している批評的な映画が多い。今見ると、その特撮技術の未熟さに、それを目を瞑った上で、と付け加える必要がどうしてもあるんだけど、いたずらにCG頼みのおバカパニック映画なんかより100倍マシだと思う。
バート・ランカスターやソフィア・ローレン、リチャード・ハリスといったキャストで、ヨーロッパ大陸縦断鉄道を舞台にした、ヨーロッパ資本によるウイルス・パニック映画である本作もまた、そんな系譜にある作品。バート・ランカスターが登場した時点で、陰謀の臭いがプンプン。ヨーロッパ資本なので、アメリカをはなっから敵視した展開になっている。新型ウイルスへの恐怖から、超大国の陰謀に対する怒りへのシフトもスムーズで、アクションもサスペンスもロマンスもすべてない交ぜにしながら、全然とっちらかっていないのがいい。
そして何より、ハリウッドではためらってしまうだろうシビアなラストに好感が持てる。陰謀の鈍い代償が、灰色の空に溶けていくかのようだ。
70年代、ジェリー・ゴールドスミスが一番脂が乗っていた時だと思います! 「パットン大戦車軍団」「パピヨン」「オーメン」「風とライオン」etc・・・ どれも聞き応えがあり、実に映画を引き立てています★ この「カサンドラ・クロス」、最近では珍しくもない「細菌兵器」もので・・・ 当時は衝撃的なものがありました☆ テーマ曲は、実にサスペンス調で、哀愁感漂い、 列車を舞台にストーリーが展開していくこともあり、流れるような感じのスコアになっていて、 流石はジェリー・ゴールドスミスだなあ☆と思わせてくれます! また、当時シングル・カットされた「カサンドラ・クロス愛のテーマ」は、メイン・テーマを、 ドラマチックに盛り上げたスコアになっていて、一番の聴きどころだと思います♪ この曲は、もっと日の目をみても良いと思います! あと、「I,M STILL ON MY WAY」と言う、ゴールドスミスの曲を、この映画に出演している女優の、 アン・ターケルが歌っていますが・・・ハッキリ言って、これはマイナス点だと思います「笑」 ちなみに、主演のリチャード・ハリスの奥さんです[今はどうか知りませんが] しかし、O・J・シンプソン・・・カッコ良かったのになあ・・・
77年のお正月映画として大阪では北野劇場でロードショー公開された今作は自分にとって高校受験が控えていながらも前売り券を買って観に行った思い出深い作品である。 公開当時はパニック映画が世界的に大流行しており、今作もウィルス感染した人間が乗車した列車が舞台となっている関係上、公開当時はパニック映画として位置づけられていたが 「サブウェイパニック」や「ジャガーノート」のような密室化された場所に居合わせた人間が如何に危機を乗り切るかといった内容のサスペンス作品であり、 「大地震」を始めとしたディザスター・ムーヴィーのような人々がパニくる描写を売りにしている作品ではない。 しかも大英帝国、伊太利亜、西独逸(当時)の合作であり(製作はソフィア・ローレンの夫、伊太利亜人カルロ・ポンティ)ハリウッド資本が絡んでいない為、 全編どことなくクールなタッチが感じられ、じわりじわりと緊迫感を高めていくジョルジュ・P・コスマトスの演出は中々の物である。
ジュネーヴの世界保健機構(WHO)に3人組のスウェーデン人テロリストが侵入し、爆破しようと試みるが失敗。 1人だけ逃亡に成功するが、伝染病のウィルスを浴びているとは知らずに大陸横断列車に乗り込む。 実はこのウィルスは将来の細菌戦争に備える為、亜米利加陸軍が極秘裏に研究を進めてきた代物だった。 当然の事ながら亜米利加陸軍情報部は事の真相を隠ぺいするための手段を講じるのであった... サスペンス作品なので粗筋はこの辺りまでにしておきます。
若干地味な感もありですが、76年当時ではかなり豪華なキャスティングになっています。 まず列車の乗客側にはリチャード・ハリス(精神科医のジョナサン・チェンバレン、実質の主役)、ソフィア・ローレン(ジョナサンの元妻ジェニファー)、エヴァ・ガードナー(大富豪の夫人ニコール) マーティン・シーン(ニコールの愛人ナヴァーロだが、実は...)、O・J・シンプソン(神父のハリーだが、実は...)、リー・ストラスバーグ(ユダヤ人のセールスマン、ハーマン・カプラン) レイモンド・ラブロック(トム)、アン・ターケル(トムの恋人スーザン)などなど。 各人の人間ドラマも適度に盛り込まれており、その辺も今作を盛り上げている要素となっています。 一方陸軍情報部のマッケンジー大佐役にバート・ランカスター、同じくスターク少佐役にジョン・フィリップ・ロー、亜米利加陸軍病院の女医エレナ役にイングリッド・チューリンなどなど。 オールスター・キャストとはいえジョン・フィリップ・ローとレイモンド・ラブロックの顔が拝めただけで私にとっては十分満足。 2人とも通好みのB級アクションスターではあるが、何れ劣らぬカッコイイ役者であり、2人を共演させたカルロ・ポンティに拍手を送りたいです。 又「群盗荒野を裂く」で主人公の1人を演じていたルー・カステルがテロリスト役を演じていたのも私には惹かれるものがありました。
それと私なりの今作での注目点を1つ。 製作者のカルロ・ポンティとソフィア・ローレンは上述のように御夫婦であり、若干公私混同気味ではありますが リチャード・ハリスとアン・ターケルも当時は御夫婦でこれも公私混同と言って間違いないでしょう。 しかも大した女優ではなかったアン・ターケルはハリスの主演作以外では殆ど映画出演出来なかった点(ブロンソン夫婦と同じ)からも、貴重な作品?と言えるでしょう。
これだけの有事に対応しているのが、バート・ランカスター、イングリッド・チューリン、ジョン・フィリップ・ローの3人だけと言う点は現実離れしていて若干興醒めする部分ではありますが ラストも超クールに決めており、エンド・ロールで流れるジェリー・ゴールドスミスの哀愁漂うテーマ・ミュージックが耳を奪い、最後まで目(と耳)が離せない1級娯楽大作となっています。
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