いわゆる税金の入門書を、架空の登場人物を仕立てて、 ストーリー形式で解説していくもの。 これまでの「キモシリーズ」と同様、わかりやすく、読みやすい。
こういうストーリー仕立てにすると、 「話は面白いが肝心なことがわからない」 「肝心なこと(税金の基本)はわかるが、話が陳腐」 「どっちつかず」 ……となりがちだが、この本にはそれらがない。 ストーリーが面白く、キャラも立っている。
主人公と、税理士のタマゴの大月くん、上司の小林経理部長など、 「ありえないだろ、そんなキャラ」というものではなく、 どこにでも居そうで、それでいてユニーク。
しかも、掛け合いで問題が提起され、そのあときちんとした「解説」が続く、 という流れも実にスムーズだ。
国会が不安定なので、年末ぐらいには「改訂版」でも必要になるかもしれないが、 トリビアな話題もさりげなく盛り込まれたりしているし、 少なくとも税金の基本だけは、あれよあれよで身についてしまう。 かなりの「良書」だと思う。
医療費控除を申告して、税金に興味を持ちました。カバーの感じやタイトルの雰囲気から購入しましたが、ちょっと詳し過ぎかなと、最初感じましたが、最終的にこれ1冊で確定申告もできそうなので、むしろ、お得感が強いかな、という感じです。税金って、やはり難しいものなので、ナメめてかからないためにも、このくらいの本がいいのかなと思います。
10の自治体を取り上げているが、紙幅の関係もあろうが、内容は薄い。 それぞれの自治体を取り上げた本も出版されているので、夕張の破綻から自治体運営に興味を持った人へのダイジェスト版として読まれたい。 とは言え、本書には書かれていない、多様で見過ごすことのできない問題点もあるので、本書を読んだだけでこれらの問題について語ると、恥をかくことになるだろう。
国民の行政に対する依存度の高さ、払税(納税にあらず!)者として“お任せ民主主義”ではなく、積極的に情報公開を求め、税金の使い道に関心を持つべき、などの指摘には頷けるのだが、問題・解決点とも殆ど具体的には触れられていないし、著者は行政職員として情報公開請求を行ったことすらあるのか?と疑問が残った。
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