出勤前の朝のテレビで吉永小百合さんが好きなピアニストとして日向敏文さんが紹介されていました。たいへん上品な調べで心が和む感じがしたので、探してみるとこのCDが目にとまりました。他の癒し系のCDとダブらない構成も良かったです。心が和みたい時の1枚として重宝しています。
これは嬉しい再発です。 当時すでに超売れっ子ギタリストだった佐橋さんが、 西海岸のそうそうたるメンバーと作った1994年のソロアルバム。 もちろん最高にカッコイイギタープレイが盛りだくさん。 でもあくまでも主役はギターではなく、 シンガーソングライターとしての佐橋さんの魅力の詰まった大傑作です。 今でもちっとも古くなっていないのは、流行に左右されない高い音楽性と、 これこそ「ポップスの魔法」と言える良いメロディー、 そして普遍性のある「歌心」があるからでしょう。 例えば「僕とロージーとみんな」の甘酸っぱさはどうでしょうか。 聴いた誰もが「光の中で幸せだった」少年時代を思い出し、 感傷に包まれる事でしょう。 また「トゥルー・ラブ」(佐橋さんアレンジの某有名ヒット曲とは別の曲です)は、 佐橋さんの曲の中でも最も美しいメロディーの、とても深みのあるラブソングです。 「なぜ愛が僕らを嘆かせるの?」と、 誰もが青春期に問いかけたフレーズに泣かされ、 最後のヴァースの暖かさには聴くたび胸を打たれます。 コーラスもいいし、ギターソロもすぐ終わっちゃうけど完璧! ちょっとジェームス・テイラー風の、開放感のある「ユア・デイズ」も大名曲! マーケティング戦略的な人生応援歌が巷に氾濫していますが、 親友に「ドンマイ!」と言われているようなこの曲には、 作り物でないやさしさが感じられます。 シンプルなのに深くて、 寓話のようなのにリアルな説得力のある、不思議な曲で、 私はこれを聴くと会社を辞めたくなってしまいます。 さてボーナストラックですが、 「トゥルー・ラブ」のちょっと爪弾いてみましたって感じの短いインスト、 「タイム・パッシズ・オン」のカラオケの2曲。 やや期待はずれじゃんと思いきや、 CDエクストラにジョン・ホールとのレコーディング風景の映像が! 山下達郎氏との制作裏話対談も興味深く、買いなおしてよかった。 非常に残念でならないのは、 これほど素敵な「シンガーソングライター」のアルバムが、 これたった一枚しかない事です。
創刊号から購読していますが、最近流行のギタリストや懐かしのフォークシンガーが登場したり、初心者教室やオリジナルCD等などギター初心者から上級者まで楽しめる内容だと思います。特に最新ギターの弾き比べコーナーはギター好きにはたまりません。懐が寒くなるほどです。
サディスティックミカバンドのDVDは前から買ってあったが漸く鑑賞する機会を得た。感想は二点である。
一点目。
DVDの映像作品としての本作に関しては 他のレビュアーの方から相当の異論が出ている通り評価しにくい。コンサートのライブ性は大きく後退し メンバーのインタビューへの傾注が強い。 DVDの監督は サディスティックミカバンドを題材とした「違うの映像芸術」を作成していると考えると こういう作りもあるかとは思うので僕は否定はしない。
二点目。
やはりサディスティックミカバンドの格好良さである。
自分が中年になったから思うのかもしれないが「格好良い」という言葉は 若者ではなくて中高年に向けて使う時に 煌めきが生まれるような気がしてきている。
実際 メンバー達は 相当の年配者になっているわけだが その連中が演奏し、時に その音楽やメンバーを語る その姿は 異様に「格好良い」と言ってよい。若い時からの過激さをいかに大事にしてきたのかが素直に伝わってくる。「前衛」という言葉があるが 常に前線部隊で戦っていることは時に疲労もするとは思うが 彼らが いかに爽やかに時代と戦ってきたのか そうして今でも戦っているのかが良く分かった。
ということで 大変元気が出たDVD鑑賞である。
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