アカデミー賞作品賞を受賞した刑事アクションの傑作。ウィリアム・フリードキン監督にとっては、「エクソシスト」に並ぶ代表作となった。
とにかく、終始観る者を圧倒するのが、ジーン・ハックマン演じる主人公のポパイ。犯人(ホシ)をあげるためには手段を選ばないという、上司からしたら全く以て扱いにくい部下である。また、ポパイのパートナーを演じるロイ・シャイダー、フランスの麻薬王シャルニエを演じるフェルナンド・レイも非常にいい演技をしている。また、TV放送された際の日本語吹替が収録されているのも嬉しい(ハックマンはもちろん小池朝雄氏!!)。
実話を基に製作されているため、結末は尻切れトンボの形で終わるが、ご安心を。ジョン・フランケンハイマー監督が製作した「フレンチ・コネクション2」でちゃんと決着が付けられる。本作を観終わって「すっきりしないなぁ」と思った方は、是非続編の方を観ていただきたい。また、本作のスピンオフ的作品として、本作のプロデューサー、フィリップ・ダントーニがメガホンを取った「重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス」という作品もあるため、興味がおありの方はこちらの方も観ていただければ幸いである。
一般にはあまり知られていないフルート、クラリネット、ピアノを中心とした室内楽。 フルートとクラリネットというのは、なかなか音が溶け合わないものですが、パユは只者ではありません。金属製のフルート(多分いつものブランネン)を使って木管フルートのような響きを創りだし、クラリネットの音色と見事に溶け合って室内楽の楽しさ、面白さを存分に教えてくれます。 曲目も、ショスタコーヴィチのワルツ2曲(楽しくてかわいい)、シュミットやエマニュエル(ちょっとラベル風のピアノ、パリのエスプリを感じることができる佳品)からジョリベ(アンサンブルが難しいんです)まで、フルートやパユのファンのみならず、幅広いクラシックファンの皆さんにお勧めしたい1枚です。
ただの映画好きの素人目の評価です。 以前に発売されていたBD版の評判があまり良くなさそうだったんですが、初見の感想は、「なるほど」です。 なるほど、この画質はBDらしからん、という「なるほど」と、なるほど、確かに劇場で見ている感じではあるな、という「なるほど」です。 普通に綺麗な画像が好きなので、どちらかというと、私的には前者になりますが、写真プリントのツルツル版とザラザラ版の違いのようなものだという捉え方をすると、綺麗にピントが合っているザラザラ版写真のような印象ですね。 DVD版と比較すると、細かいところでの鮮明度は上がっていると思いますし、コントラストはよりはっきりしているので、画質が向上しているのは確かだと思います(ただ、私のような素人には、向上代がそれほど大きく感じられないだけでしょう)。 大好きな映画の一つですので、この程度の画質の向上でも私的には大歓迎です。
1998年、サッカーW杯フランス大会のあった年。 この年、この「French Connection」がリリースされた…そうです、これは、W杯フランス大会に合わせて「柳の下…」を狙った作品です(笑)。W杯フランス大会の試合が開催される都市名を各曲に織り込むか、もしくは関連のある曲をカバーして出来上がった作品…とくれば「つまりは企画盤なわけね~」と冷ややかな視線を浴びそうな気がしますが…敢えて星☆☆☆☆!何が悪い(笑)! 実際のところ、前作「Love Can…」(これは名盤!)に比べて、企画先行の音造りの宿命でしょうか、音づくりが物足りなく感じるところはあります。そして致命的なのは、フランス大会が終わってしまえば話題性に欠けてしまうという問題が…。 でも、素直に耳を傾けてみてほしいのです。決定的な名曲にこそ欠けるものの、楽曲のレベルはまずまずの粒揃い、トータルに聴いて穴が少ないという美点が…(笑)冗談はさておき、いい盤です。なるほど、名曲がないから、メリハリはないかもしれない、でも水準以上ではあるのだから、通して聴いて心地良い。 我が家では日曜日の朝の定番です。特に、晴れた朝にはぴったり! 彼女のファンでない人には星☆☆☆、ファン心理でもうひとつだけ☆をプラス。ごめんなさい、大目に見て下さい(笑)
毒をもって毒を制す、というひな形を警察対マフィアの構図にねじ込んだ作品。 言動だけ見てたらどっちがワルなのかわかりません(笑)
余計な説明的セリフを一切言わせず、淡々と捜査の過程を連続させていく。 NYの厳しい寒さの中で歯を食いしばりながら地味な張り込みを継続していくシーンは映画史に残る名シーン。
大袈裟な演出や音楽を排除してある種ドキュメンタリーのような撮影の仕方が面白い。 逆光や顔が撮れてないのもお構い無しで画面がボケたりしながら必死に役者の動きに追いつこうとした映像が逆に緊迫感を生んでいます。
当時のアメリカは経済が低迷しベトナムは泥沼化、警察は汚職まみれで最も嫌われていた存在でした。 そんな中映画業界もどん底であらゆる会社が倒産寸前でした。 これまでの予定調和ハッピーエンドアメリカ万歳映画を大衆は求めなくなっていました。 そこに登場したのが今作であり、ダーティハリーでした。
地味な捜査と派手な逮捕とその努力に見合わない罪状を描いた、緊迫感溢れる作品。 ハッピーエンドでは終わらない、善と悪がハッキリしない、そんなニューシネマの傑作。
余談ですが、ジーンハックマンが演じた暴力刑事のモデルになった人物は、本当にヤクザが警察バッジを持っているような人間でこの映画が製作された数年後にタガが外れきってしまいクビになっています。
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