フライングシャイン黒の作品。暗い作品が多い中で、特に異彩を放っているように思える。時代背景から言っても、美少女ゲームでは珍しい。
ストーリーも、第三者の視点から見ているので、物語を読んでいるような不思議な感覚になる。
幸せを探す二人の姉妹。ラストにどのような結末が待っているのか、気になる人は、買って、プレイしてみましょう。
重松さんでないと、書けない作品です。
うまく人としゃべれない、先生を傷つけてしまった、交通事故で人を殺してしまった父親を持つ子、いじめで転向してしまった子と残された子、いろんな悩みを持った中学生が、出会った臨時講師の村内先生。 村内先生は、多くを語らないが、吃音という障害を抱えている為、「正しいこと」ではなく「大切なこと」だけをとつとつとでも一生懸命伝えます。心から生徒に対し本当に伝えなければならないことを。
村内先生のかつての教え子が主人公となる最後の章の「あのなあ、人間はなあ、おとなになる前に、下の名前で、たっ、たくさん呼ばれなきゃいけないんだ・・・(中略)」のセリフは、忘れられません。
「きよしこ」の大人版。 「きよしこ」に衝撃を受けた者として、 今回、吃音をプラスに取り扱っているのがうれしい。
「カッコウの卵」の評判がいいが、確かに秀逸であると思う。 ただ、評判がいいからといって、それだけを読むのでは、その良さが半減してしまう。 もちろん、「カッコウの卵」だけを読む人はいないだろうが、1ページ目からずーっと読んできて、最後に「カッコウの卵」があるからこそより大きな感動を読み手に巻き起こすのだろう。
当たり前の側に立つ人間として、わが子が今のところ順調に成長していることに感謝し、 今後も引き続き成長を続けてくれることを希求してやまない。 そして、もうあと数年でわが子も重松清という作家に目を向けるだろう。 そのとき、感想を述べ合うような親子関係でいたいものだと思う。
私のように40才も半ばを迎えようという年齢になると、いろんなしがらみが増えてくる。 大人だって日々悩み、傷ついている。 そんなわれわれ大人たちにとって、本書が村内先生となっている気がする。 本書を読むことによって「救われる」人が多いことだろう。
青い鳥といえば、こどものころ、いわさきちひろさんのあわい絵が美しい、この本の古版を宝物にしていましたが、これは物語として再編集されていたんですね。原作は、とにかくメーテルリンクのこだわりっぷりがすごい。登場人物の衣装や舞台に至るまで事細かに設計してあるんですよ。おかげでイメージがわきやすくて助かりますが、この劇を作る人々はさぞ大変だったことでしょう…。古い本なので、時代を感じさせる言葉遣いや時には不適切な表現も見られますが、それらを含めてももう一度読んでよかったと思いました。絵本の記憶はかなりおぼろげなので、チルチルとミチル、犬のチロ、砂糖の指をおやつにくれる砂糖の精くらいしか覚えていなかったのですが、実は仲間がたくさんいたんですね。しかも彼らにとっては青い鳥探しは戻れない旅という衝撃…。それでもチルチルとミチルと旅に出たいと乞うチロはいじらしくて胸を打たれました。いろいろな国をたどりながら一行は青い鳥を探しに行くのですが、わたしの待望の「未来の国」はやっぱりとてもよかったです。未来の国の彼らは自分の運命を知っています。生まれたら忘れてしまうんでしょうけれど、英雄的な役割をすることになる子といった良き?さだめを持つ子の一方で、病気を3つも持っていく子や、苦しいものを持っていく子がいます。彼らはけれど、忘れないように、それらを持って旅にでるんです。いいものも悪いものも持って未来の国を出て行く。そのくだりが一番好きです。ここを読んだだけで満たされるくらい好き。その後も彼らのたびは続き、結末は皆さんが知っているとおりなのですが、絵本よりも詳しい描写が魅力的で、大人が楽しめる童話だと思います。
まず「青い鳥」という曲名と実際の曲のギャップに驚かされる。 幸福の象徴とされる青い鳥が、鬼束の手にかかるとまるで別のイメージを持って迫ってくる。 PVの終盤で鬼束が青いドレスをまとって登場するが、その姿はもう飛ぶ気力もないようなそんなどうしようもない空しさを感じさせる。 それでも何とか生きて、飛んでいこうとするかすかな力。 鬼束の歌声は完全とは言えない。 けれども、そこがこの曲の魅力の一つのような気もする。 カップリングの「NEW AGE STRANGER」はアルバムverの方が好み。 このシングル盤はその生っぽさがちょっとエグくて苦手。 しかし、アルバムも含めて鬼束の引き出しの多さに改めて感服。
ファンや大衆に媚びず、自分のやりたい音楽を表現していく。 カッコ良い人だと思う。
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