日本もアメリカ兵も結果主義。「戦争は勝てばよい」との考えで同じ。 ただし、イギリス将校は行動規範(プロセス)を重んじる。 これが要旨で、さてどちらが正しいかは鑑賞する本人が決めることです。
「史実に忠実でない」、とのレビューはおそらく正しいと思います。 ただし、忠実でない歴史は多数あるので、史実を無視してみると考えさ せられます。
特に最近の日本は短絡的「成果主義」が蔓延。一考の価値アリ。
(私は、もと人事部勤務)
『旅情』、『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』、『ライアンの娘』などイギリス人の彼にとっては異郷の地を題材に力作を生み出し続けたデヴィッド・リーン監督屈指の名作と称えられているのが本編です。このたびの異郷の地は第二次世界大戦下のタイであり、そこで同郷のイギリス人同士と同胞のアメリカ人と敵国である日本の将校が火花を散らしあう物語です。
クワイ河マーチの口笛よろしく物語は森林の奥地で展開しますが、リーン監督の持ち味である壮大さを伴う異国情緒がこうしたジャングルが舞台では出し切れていないのが残念です。つまりこうしたジャングルはどこの国のジャングルでもよいわけであり、タイである必要はないので、逆にタイらしい雰囲気が出ていないのがリーン監督作品としてはいささかの物足りなさを感じてしまう次第です。
重要な持ち味である異国情緒の欠落と同様に、登場人物も意外と一貫性ある緻密さに則って描けていないように思えました。アレック・ギネス扮する英国人将校がなぜ嬉々として日本軍の橋を作ろうとするのか理解できませんし、早川雪舟扮する日本人将校の人物造形も複雑な面白さを有しているようで実は曖昧模糊としています。ウィリアム・ホールデンのアメリカ兵はお調子者でありながらなぜか後半部分は打って変わってヒーローと化し、ジャック・ホーキンスのいつもの骨太のキャラクター作りもまったく粗末に扱われています。このようにして正直、印象深い登場人物が見出せないという結果に終わってしまっています。また登場人物同士の人間としての心の触れ合いがまったくといっていいほど描けていなく、ドラマティックな抑揚に完全に欠け、人間同士がぶつかり合う場所でもある戦場とはいうものの、まったくクールでドライな印象を受けてしまいます。まあ、それが戦争のもう一つの側面、つまり“冷たさ”であるということなのでしょう。
このような負の部分を踏まえつつも、本編の全体に漂うドラマとしての品格や印象深い映像はさすがリーン監督ならではのものであり、戦争の狂気を極めてユニークな場所設定とストーリーラインで表現したことで記憶に残る個性的な戦争映画ではあります。後年の傑作、『アラビアのロレンス』には遠く及びませんが、その前ぶれとも呼べるフィルムと考えていいのでしょう。
最後の場面でホールデン、早川、そしてアレック・ギネス演じる英国人士官の動きによって、登場人物たち、とくにギネスの演じる人物の内面的混乱が映像的ダイナミズムをもって巧みに具現化される。そして彼らの内面的ドラマは圧倒的な映像表現とともに終局に向かってゆく。これこそデイヴィッド・リーンの真骨頂である。映画ならではの技法のひとつの高度な成功例がここにある。
なつかしい。これを観たのはずいぶん前のことだったが、人と人の連帯は敵・味方に分かれていても可能なのだと知らされた
良い、良いものは良い、何年たっても良いものは良い。 このアルバムは私が17歳のとき発売日を気にしながら、田舎町の実家で親に見つからぬよう買ったものだ。もうあれから30年が過ぎてしまった。今やこのアルバムは店頭でも店の端のように追いやられているがグラミー賞アルバム部門1位だったと書いてあるのを読んで思い出が広がっていった。この年はBeatlesがLet It Beを発売してそれがボックス版だったので写真集が付いていてとっても欲しかったのを覚えている。さてこのアルバムにはシングルカットしてもいいような作品が 9曲ある。唯シングルカットイコールヒット曲とはいえないが名曲が びっしり詰まっている、はっきり行って全曲そうであってもおかしくはないと思う。
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