67年発表、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビュー作にしてロック史上に残る名盤。 このバンドはルー・リードが在籍していたバンドとして有名で、本作はドイツ人女性のニコを迎えて作られた作品です。荒々しさと穏やかさを兼ね備えた退廃的なサウンドは60年代後半という時代を強く感じさせます。バナナのジャケットは世界で最も有名なジャケットの一つです。
意表をついた美しい名曲「日曜の朝」にはじまり、続くのは後のパンクを想わせるシンプルで攻撃的なロック・ナンバー「僕は待ち人」です。ジョン・ケイルの弾くヴィオラの音色がオリエンタルな雰囲気を醸し出す「毛皮のヴィーナス」「黒い天使の死の歌」も秀逸。また、ニコのハスキー・ボイスが意外な程いい味を出している「宿命の女」「ユア・ミラー」も注目です。「オール・トゥモローズ・パーティーズ」もニコがリード・ボーカルを取る曲で、A面のエンディング的な曲です。本作はA面とB面で違った色合いがあるので、意識して聴くことをお薦めします。「ヘロイン」からがB面です。
ヴェルヴェットが他のバンドとは明らかに異なることを感じさせるのは、ノイズを利用した「ヘロイン」と「ヨーロピアン・サン」です。はたして名曲と呼んでいいのか、問題作と呼ぶべきなのか。どちらにせよこの2曲の後のバンドに与えた影響は計り知れないものがあります。
また、本作は歌詞も物議を醸すなど、いろんな意味で見所の多い作品です。永遠の名盤であると同時に、わりと聴きやすい作品でもあるので、詳しく内容を知らずにジャケットに惹かれて買っても全く損はありません。最近の音楽しか聴いたことのない方は初めはちょっと戸惑いを覚えるかもしれませんが、これが普遍的な魅力を放つ“時代の音”です。ロックを語る上で、避けては通れない作品です。
名作Velvet Underground&Nicoに続いて発表され、
ジョンケイルが参加した最後のアルバムとなった本作。
ルーリード、ジョンケイルという二つの異なる才能が激しくぶつかり合い、
高いテンションを保ったまま終曲Sister Rayに雪崩れ込む様はまさに圧巻の一言。
ただし決して聴きやすい音ではないので、
ヴェルヴェッツをこれから聴くという方は要注意。
まずは1stを聴いてHeroinやEuropean Sonを気に入ったという方は
是非本作を手にとってみてください。
私は熱心なロックファンというわけではなくて、むしろVUに影響を受けたとされる77年以降のパンク・ミュージックなんて大嫌いな部類に入るのですが、『Velvet Underground&Nico』はもう本当に大好きなアルバムで、同時にこのアルバムを世に送り出したルー・リードもジョン・ケイルもスターリング・モリソンもモーリン・タッカーもニコも、もちろんアンディー・ウォーホールも、このアルバムに関わった人間が愛おしいくらいに思えるほど、1stバナナが大好きです。
暗く陰鬱な雰囲気をまとった(というかそのように装うしかなかった)VUのイメージ、そして前衛的で卑猥な内容を扱った音楽だと批評家たちから攻撃され、正しい耳のリスナーを獲得する前にラジオ局からも完全に無視され、妥当な評価すら与えられることなく、さまざまな不運が重なってロック史の淵に一度は追いやられた1stバナナ。もはや伝説ともいえるアルバムにまつわる話がゴロゴロと、まるで鉱山から発掘された宝石のように彼らを内側から輝かせるような本がついに出たのか!と期待したのですが、個人的にはあまり興味のない話に数十ページも費やされていたことが残念でした。
どういうことかと言いますと、この本の著者はミュージシャンなので、僕が影響を受けたアーティストは〜とか、十代の僕がこれこれのアルバムに出会って〜、という「余談」がけっこう多いです。著者自身が「余談になるが〜」と何度も断っているのですが、これがほんとうに余談であります。もうひとつ、レコーディングに関する話のところで、エンジニアに関する経歴紹介にかなりのページが割いてあります。確かにディランやサイモン&ガーファンクルの名前が登場してなかなか興味深い内容なのですが、ちょっとマニアなロックファン向けかも?すこし退屈に感じました。あと、誰の証言をとっても結局のところ定かではない製作費について最初に結論を言いながら、だらだらと書き続けているのもどうかと思いました...。
というか、私はこのアルバムにまつわる、これまで語られることのなかったこれこそほんとうの秘話のようなものを期待していたのですが、これまで彼らについて言われてきたこと、インタビューの総まとめといった感じです。たまーに知らなかったエピソードが出て来てにんまりしてしまう程度のもので、それ以下でもそれ以上でもありませんでした。ひとつひとつの曲について解説された章はとても面白かったです。ロックに精通されているかたが読んだらもっと違う印象をもたれるかと思いますが、素人目からですとこのような感想になります。
93年に1度だけ再結成された時の映像作品。オリジナルメンバーでの再結成で、ダグユールでは無くジョンケイルが参加しているのが嬉しい。1stアルバムでニコが唄っていた曲をケイルが唄っていたり、ケイルがビオラ、ベース、ピアノと多彩な才能が堪能出来る。ドラムのモーリンタッカーがスタンディングドラムだとこの映像を見て初めて知った。この後に再結成アルバム作成の話があったが、ルーリードとケイルが衝突し暗唱に乗り上げてしまう。95年にギターのスターリングモリスンが病気で他界し、もうオリジナルメンバーでの再結成が無くなってしまった。非常に優秀な映像作品であり、本当の意味のベルベット最終作品。
あぁ、こういうの探してたんだ。と思いました。 私にとってのVelvet初体験がこのアルバムでした。「バナナ」がどの名盤推薦本にも掲載されているくらいしか彼らに関する知識はありませんでしたが、「Candy Says」の誰かによるカバーがきっかけでこのアルバムを聞き始めてすぐに穏やかな気分にさせられたのを忘れません。 もう初めて聞いてから随分経ちますが、心のベスト3からは外すことができないほど好きです。
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