6年ぶりに再プレイした。FF12をやった後だったので、アレの元ネタはここにあったのか、というようなことが色々確認できて楽しかった。松野氏のスクエニ退社が明らかになったので、彼の関わったゲームはFF12が最後になってしまったが、スクウェア時代の作品では本作が最も松野色の濃い出来だろう。女性キャラがほとんど登場しない、ひたすらストイックで孤独なゲームだが、圧倒的に面白い。
ほとんどの舞台が地下道や暗い森などのダンジョンだが、グラフィックが実によく雰囲気を出しているし、効果音を巧みに使ったサウンドも最高。ストーリーはP.K.ディックのSFなどの影響もあって「世紀末」には映画でも流行した「偽造された記憶」モノだが、FF7の悲惨なオチとは大違い。本当にうまくできているし、最後の解釈をプレーヤーに委ねるエンディングもいい。
さすがにやり方が分かっているので、バトルはそんなに苦戦しなかったが、それでもGAME OVERを一度も見なかったといえば嘘になる。パーティーなどというものはなく、こちらは操作キャラ一人だけだし、キャラを強化する手段は限られる。金にモノをいわせて装備やアイテムを買い漁ることもできない(キャラの経験値やレベルアップ、お金やショップは存在しない)。敵に合わせて武器を持ち替え、カスタマイズすること、合成で装備を強化することだけが生命線だ。(必須ではないが)反射神経もあった方がいい。「強くてニューゲーム」ありだが、一周目は余裕で勝てるボス戦はない。かつてあった攻略サイトもほとんど閉まっているので、はじめてプレイする場合、『アルティマニア』なしでのクリアは難しいだろう。
スクウェアの名作RPGとして名高い「ベイグラントストーリー」。 同社の名作である「ファイナルファンタジー(FF)」を彷彿とさせる美麗なグラフィックですが、その奥の深さはFFシリーズの比ではありません。 チェインアビリティやリスクなど、このゲーム独特のシステムを理解し、さらに、1度クリアしただけでは解けない、更なる謎解きに挑戦するためにも、必携の1冊ではないでしょうか。 既に絶版となっており、入手するには古本やオークションを利用するしかありませんが、単に読むだけでも、その奥深さをじっくり堪能することが出来ます。
これがないと生き残れません。絶対途中でつまずきます。必ず買いましょうアイテムの取り逃しは死活問題です。かなり難しいゲームですがはまれば心にのこります。 自分はこのゲームにはまりサントラまで買いました。それぐらい素晴らしいゲームです。
ここまでゲームと、音楽の一体感を心地よく感じられたものは他に無い。 曲から、音から、明らかにされていない人物の心情や死の都を漂うものらの囁きがよみがえるようである。 出来るなら、ゲームを一度でも体験してから聴くことをお勧めしたい。
このゲームを一言で言い表すなら、「とても精緻に作り込まれた逸品」である。
魅力として挙げられる部分は多い。まずシナリオ。魔都・レアモンデの探求を進めるとともに、 主人公であるアシュレイ自身の謎が浮き彫りとなっていく物語は、練り込まれた世界観と 魅力的な登場人物たちの存在が絡み合って陰影の深いストーリーが展開されていき、 最後までプレイヤーを惹きつけることだろう。 また、映画的な演出が多用されており、オープニングやデモシーンは今見ても実にカッコ良い。 ストーリーの見せ方という意味では、非常に洗練されている。
グラフィックもこだわりぬかれている。PS1という旧世代のマシンの性能を使い切って 丹念に描かれたマップの一つ一つはきちんと連結されており、全体としてレアモンデという 1つの朽ちかけた都市を構成している。その徹底振りにはため息が出るほどだ。 他のレビュアーの方が言われるように「レアモンデ観光」が実際に楽しめるだろう。
だが、そんな製作者の「こだわり」は、ゲームシステムに悪い意味で反映されている。 端的に言えば戦闘が難しい上、爽快感が皆無。システムを理解すれば打破できるとはいえ、 最初のプレイとなる一週目は、ライトユーザーには茨の道となるだろう。
とりわけ困難なのが武具の合成だ。データが膨大なので、分厚い攻略本を読み解いて ようやく思い通りの品を(長時間かけて)作成できるようになった記憶がある。 思い通りの「強さ」を得ることはゲームをクリアする以上に困難だ。 それ故にやりこむ余地は多く、前述の利点と相まってハマった人には 中毒性の強いゲームでもある。
「こだわる」ことがイコール「面白さ」に直結するならば、この作品は間違いなく 「傑作」と評価されていい作品だろう。だが、ゲーム自体の「面白さ」は、決して 高い評価を与えられるものではない。 繰り返しになるが、こだわりぬかれた作品であることは、プレイしていれば嫌というほど 伝わってくるが、アドベンチャーRPGとしては、戦闘システムの複雑さと「重さ」によって、 面白みが大きく損なわれている。
故に、「傑作になり損ねた労作」だったという感想を筆者は持っている。 ――しかし、そんな厳しい評価を下した僕自身が、魔都の魅力に取り付かれ 100時間以上もプレイしたということも、一応付け加えておきたい。
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